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| December 2005 |
ENGINEERING PLASTICS
エラストマの新展開
化学の進歩により高機能化する最先端の熱可塑性エラストマ
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熱可塑性エラストマ(TPE)は常に進歩し続けている。TPE技術の動向を調査しているコンサルティング会社のBob Eller氏は、近年TPEメーカーが新技術を導入し、TPEのさらなる向上を図っていると語る。一つの有力な方法として展開されているのは、TPEを構成している樹脂やゴムの基本構造を変化させる技術。ここでは二つの例を紹介する。1つ目は耐熱性、2つ目は耐薬品性・耐摩耗性を高めている例だ。
さらに、添加剤の利用によって機能特性を変化させる技術がある。Eller氏は「中でも発泡成形法の新技術に注目してほしい」という。ここでは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)の製造に用いられる特許を取得した発泡成形技術を紹介する。
米Robert Eller Associates社によるエラストマの動向をまとめた最新調査レポートは以下のリンクから:
http://www.robertellerassoc.com
耐熱性に優れたTPV
オレフィン系の熱可塑性加硫エラストマ(TPV)やエチレンプロピレンゴム(EPDM)はこれまでに十分な成功を収めており、ブロー(中空)成形法で製造される自動車のダクトおよびブーツ部に用いられてきた。TPVの持つ耐熱性は、各ゴム部品やエンジンまわりの断熱材などへの適用に有利になる。
米Zeon社は、初のブロー成形法で製造されたナイロン/アクリレート系TPVを発表した。自動車内の高温部に位置するブーツ、ベローズ、ダクトなどに適用される。新材料「Zeotherm 120-90B」を使ったブロー成形部品は、連続使用温度175℃、最高温度190℃の環境に耐える。
Zeon社の新任ビジネスマネジャーのBrian Cail氏は「オレフィン系TPVは約140℃の連続使用温度環境に適している」と説明する。「Zeothem 120-90B」は自動車に使用されるさまざまな液体と接触してもその特性を保持し、最低−40℃の環境にも適応する。また、ラックアンドピニオン(R&P)ブーツや等速ジョイント(CVJ)ブーツへの利用にも適している。新材料のショア硬度は90A 〜 45Dの範囲で選択できる。
樹脂の高機能化
研究者たちは最適な特性を持つTPEを求め続け、さまざまな種類の熱可塑性樹脂を使用してTPEを開発し続けてきた。最も新しいものの一つが米A. Schulma社のTPE。この新しいエラストマはアイオノマーのまわりに構成されるもの。
いまだ実験生産段階にある新材料「Invision FX」は、引っかき抵抗性、耐摩耗性、耐薬品性が、SEBS系とオレフィン系のTPVエラストマよりも優れていると、TPE部門のプロダクトマネジャーであるJeff McCoy氏は説明する。この新材料は自動車業界で採用されている厳しい引っかき試験において、5段階評価で最高評価の1を得ている。他の2種類のTPEは3あるいは4の評価で、新材料より劣ると報告している。
特に耐薬品性が優れており、新しいアイオノマー系TPEは汚れに強く、各種電気製品や自動車の内装などへの適用に向いている、とMcCoy氏は付け加える。ショア硬度75Aの製品で抗張力は5.6 MPa、引裂強度は49kN/m。より高い硬度のグレードは、さらに高い強度を示す。
McCoy氏は「アイオノマーは、まわりにTPEを形成するのに適した素材だということが判明した」と続ける。Invision FXは高温下における適用ではなく、その最高耐熱温度は90℃。同社はこの新しい材料をショア硬度75A 〜 40Dの範囲で提供している。
成形工程の簡素化
熱可塑性ポリウレタン(TPU)にガスを注入して泡立て、密度を低下させる方法は、何年も前から実用化されている。しかしながら、この方法には成形工程が複雑になるという欠点がある。というのは一般の成形機の他に、さまざまな装置とその工程管理を追加する必要が生じてしまうからだ。この欠点を回復すべく、独BASF社はより簡素化された方法を開発した。
同社が独自に開発した方法は、ガス注入が不要となる。そのかわりに新システム「Elastollan Light」は特許を取得した加熱により活性化される発泡剤を使用した。この発泡剤には「マイクロビーズ」が含まれており、膨張した後に分解する性質を利用して、製品のセル構造が形成される。
BASF社のビジネス開発マネジャーのStephane Morin氏によると、最終的には製品の密度が50%ほど低下しており、非発泡成形品の比重は1.2から0.65まで低下している。この結果、大幅な原料削減につながった。この方法で製造される発泡ウレタンは、クッション材、吸音材、ガスケット材などに使用されている。
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