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January 2006
Trafic社の交通制御用センサーは太陽光によって消費電力を抑える
いよいよ動き出すか?!太陽光発電業界



 米Trafic社の技術者は1990年代に興味深いジレンマに直面した。ハイウエイの両脇にセンサーを取り付け車の流れを監視することによってエネルギーを節約する方法を考案した。しかし、ドライバーが交通渋滞を避けることでガソリン使用量を節約できるようになるより前に、同社はハイウエイ脇の監視所の電源をどうするかを考えなければならなかった。
 Trafic社の最高業務責任者であるChris Rothey氏は「無線社会が急速に発展し、携帯電話技術のおかげでデータを送信する道が開けた。しかし、電力用ケーブルを地中に埋め込まなければならないとすると、無線の恩恵はないに等しい」と話す。
 同社では結局ソーラーパネルを選択した。日中必要な5Wの電力を満たし夜中中持続するだけのバッテリーを充電する。このように使用するなら、太陽光発電の経済効果は絶大である。そしてRothey氏は「我々はセンサーを電力用電線と光ファイバーに接続する場合にかかる1/10の費用で設置できる」と続ける。
 Trafic社は今までに3,000個以上の太陽電池を使用した交通制御用センサーを設置しており、さらに約10,000個の設置を計画中である。このことは太陽光発電利用の成功を物語っており過去2〜3年間の成長率は二桁である。 
 しかし同社がうまく狙った用途は太陽光発電が電力市場で競争力を持てるかの葛藤を浮き彫りにしている。なぜなら、高いコストと限られた出力のせいで通常は、特殊用途か、再生可能なエネルギー源に対する単純な用途に限られているからである。
 太陽光発電優遇措置および優遇税制措置のWebデータベースでよく知られた North Carolina Solar Center の太陽光発電の技術者であるShawn Fitzpatrick氏 は「光電池市場はここ5年間で年率30%の成長をしてきた。しかし、必要なのは屋根設置型タイル光電池システムのような、さらに一体化された製品だ」と言う。
 サン・フランシスコの米Solarbuzz社によると、世界の太陽光発電の電力生産量は2003年の574mWから昨年の927mWへと急増した。 同社の分析では米国の出力はこの10%位と推定され、ドイツおよび日本に遅れをとっている。ドイツと日本を合わせると太陽光発電の装置設置数は世界の2/3を占めている。
 燃料の価格上昇に対して、電子機器製品の価格低下が注目を集めている。ワシントンD.C.に本部を置く、米太陽エネルギー産業協会(Solar Energy Industries Association=SEIA)の理事長であるRhone Resch氏は「過去10年間に太陽電池の価格は約6%下がった。同時に化石燃料の価格は上がり続けた」と話す。
 米国では太陽光発電システムの簡素化に焦点を当てている。太陽光発電を利用したい家庭が多くの課題を抱えている。フィラデルフィアにある米Solar Roofing System社 のプロジェクト・マネジャーであるAbby Nessa氏は、「中でも最大の問題は、一つ一つの仕事が設置業者にも設置家屋の所有者にとっても標準化(システム化)されていないことである」と言う。
 同社は従来からの屋根ふき技術と組み合わせたソーラーパネルを設計できる数少ない会社の一つである。総合的な屋根材料で市場に参入してきた同業者である米BP Solar 社および米GE Solar 社との競争が始まっている。ソーラーパネル業者はこぞって屋根ふき業者と業務提携を組み、相互に互換性があり、設置を簡素化できるようなモジュール化を進めている。コロラド州Golden にある米国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory)の電子材料および技術部のマネジャーであるJohn Benner氏 は「プラグ・アンド・プレイ(自動検出が可能)になるのは時間の問題である」だと言う。
 米Cypress Semiconductor社は屋根材料に注力しているSun Power 部門を独立させる考えである。カリフォルニア州サニーベールの会社も屋根材料に力を入れているが、現在市場に出回っている太陽電池セルのエネルギー変換率が13〜15%に対して、18%であると効率の良さを大きく宣伝している。「格子状の配線を裏側に配線したため、電気の接続部分によって太陽光が遮られる心配はなくなった。また、他の多くのソーラーパネルの外観の色調が青色系であるのに対して、我々のものは全体が黒色であるため、屋根材料の色ともよく調和が取れている」とSunPower社のスポークスマンは話している。
 現在SunPower社 を含めて他のほとんどのメーカーは特に効率が良いという訳ではないが、非常に信頼性が高いクリスタル・シリコンのセルを製造している。Traffic社は何千台もの装置それぞれに2個または3個のソーラーパネルを設置した。「そのうちの一つがハリケーンで飛ばされ、そして二つが車に倒された以外は、完璧に動作している」(Rothy氏)
 コストを下げる有望な薄膜技術に転換する動きもある。しかしSolarbuzz 社によると、製造方法が複雑であることが分かったため、依然として使用量は全体の生産量の10%以下だと言う。


太陽電池生産高においてドイツおよび日本に遅れる米国
(出展:Solarbuzz 2004 データ)


法規制の問題

 多くの評論家の間で、米国では環境に関する規制が重要な役割を果たすと指摘されている。前出のBenner氏は「製品が屋根の施工と電気工事の組み合わせになるので、それぞれの地域当局が独自に認可することになる。このことは使用量の増加をもたらす結果にはつながらないだろう」とは言う。さらに、公益事業では一般的に新たに設置された装置は厳重に監視される。なぜなら、電力網に接続されているシステムに組み入れられた装置が、万一正常に設置されていなかった場合、主要装置が損傷を受ける可能性があるからだ、と続ける。
 他の注目すべき点は政府の優遇措置がドイツと日本においては成長の原動力の一つの重要な要因だったことがあげられる。米国においては、最近承認された国家エネルギー政策2005年法は今後2年間にわたり30%の税優遇措置を提供するものである。これは州の優遇措置を拡大したものである。
 太陽エネルギー工業会(Solar Energy Industries Association=SEIA)、政府業務部長であるColin Murchie氏によれば「我々は自身の経済的理由から今後も引き続き州が指導的役割を担うだろう。連邦政府が継続して税の優遇措置でソーラーシステムをサポートするならば、早く普及が進むだろう」という。
 同氏はさらに、もし政府の税優遇措置が2年以上に延長されるなら設備投資の決定が確かなものになるであろう、と付け加えた。
 太陽光発電に対して最も大きな優遇措置を提供している州はカリフォルニア州、ニュージャージー州、マサチュセッツ州およびペンシルバニア州である。

 太陽光発電は優遇税に支えられているとする批判もあるが、かつて石油業界もまた相当大きな税控除を受けてきたと太陽光発電の関係者は指摘する。彼らは2000年の会計検査院の報告書にある石油業界が受けた1968年から2000年までの優遇税推定額が820億ドルをしばしば引き合いに出す。現在の2年間の連邦優遇税計画のうち太陽光発電業界が受け取る額はたったの140億ドルの一部分のみで風力発電、エタノールおよび他のエネルギー源と一緒に分け合うのだから、とResch氏は指摘している。
(Terry Costlow)


ウェブ情報源
詳細情報については下記のURLをご覧ください。
米太陽エネルギー産業協会(Solar Energy Industries Association=SEIA):
http://rbi.ims.ca/4400-511
North Carolina Solar Center
http://rbi.ims.ca/4400-512
米国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory):
http://rbi.ims.ca/4400-513
米Trafic社:
http://rbi.ims.ca/4400-514
米Solarbuzz社:
http://rbi.ims.ca/4400-515
米Cypress Semiconductor社
http://www.cypress.com/portal/server.pt


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