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タイコ エレクトロニクス アンプは、1879年にアメリカのE.H.Hall博士によって発見されたホール効果を利用した保証使用温度120℃のホールセンサーを開発した。 ホール素子(半導体)に電流を流し、磁束を垂直方向から近づけると、フレミングの左手の法則でいう親指の方向、つまり電流と磁束の両方に垂直な方向にローレンツ力が発生する。このとき、半導体中の電子がローレンツ力の方向、正孔がそれと逆の方向に移動して半導体の両端に寄ることで、ローレンツ力の方向に電位差が生じ、微少電圧が発生する。ホールセンサーはこの効果を利用したもので、この微少電圧を増幅回路により増幅して使い、磁束密度の変化を検知する。 同社は、ホールICとコの字型磁石を組み合わせることで、センサーとして信頼性の高いスイッチング特性を得ることに成功した。コの字型の磁石が発生する磁束は複雑で、磁束が相殺されることで磁界がゼロになる領域(ゼロフィールド)ができる。同社はその領域にホールICを配置している。そこへ鉄などの磁性体が近づくと、この磁束のバランスがくずれ、ゼロフィールドではなくなり、ホールICがそのときの磁束密度の変化を検知し、センサーとして働く。 ドイツのタイコ エレクトロニクスは、自動車用途向けにホール効果を利用したセンサーを現在、年間400万個以上生産しているという。このほど日本で開発したのは、磁石やハウジングの材質を変えるなどして耐熱性、防水性を持たせたセンサーである。耐熱温度が120℃と高いのが特徴。すべての部品を150℃の高温に耐えられる材料で作っている。耐水性能は国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission)の定める規格IP67を満たしている。 一般的にホールセンサーは磁束密度の変化をセンシングするため、磁束密度が重要である。一般的に使われているフェライト磁石では100℃を超えると磁束が大幅にダウンしてしまう。そのため、150℃でも磁束密度が落ちない材料をということで同社はサマリウムとコバルトで構成されたサマリウムコバルト磁石を使用。磁石メーカーと共同でこの材料を使ったコの字型の磁石を開発した。パウダーを圧縮し、焼結してこの磁石を作っている。同社によれば、この磁石は150℃でも磁束密度がほとんど低下しないという。また、ハウジングをPBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂で作ることで、150℃以上の高温に耐えられるようにした。そのほか、ホールICや電線も150℃耐熱化したことで、150℃の高温雰囲気中で50Hzのスイッチングを1000万回安定して行えるという。同社では、IECの定める規格で要求される項目に基づいて信頼性試験を行っている。さらに、顧客の要求があれば、高温耐久試験やオゾン試験などの特別な項目に対しても試験を行う。 同社はまだ確認していないが、同センサーの応答スピードは160Hzの実力はあるという。検出範囲は2から5mm。非接触、非接点なため、従来の有接点のセンサーに比べ、寿命が長くなっている。ドアの開閉確認や、シリンダやモーターの動作確認、製造ラインで使われるロボットの位置決め、ロボットのタイミング確認などのさまざまな用途が考えられる。自動車にはクラッチの切り替えや、ブレーキペダルの動きによりブレーキランプをオン/オフする用途にすでに使われているという。 (大村 泰憲)
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