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CAD最前線

2007年1月

マルチCAD使い分けによる市場拡大続く


手堅い2D CADの需要

AutodeskのAutoCAD Mechanical

AutodeskのAutoCAD Mechanicalは単純作業を自動化し工数を削減

 機械設計の部門では3Dツール活用への流れが加速する傾向にある。2D から3Dへの流れは間違いのない流れだが、そのなかで設計プロセス全体では依然として機械製図、電気制御の専用2D CAD市場にボリュームも勢いもある。また汎用2D CAD市場でもユーザー層の広がりを見せている。

AutoCAD LT
出荷は年10万本単位

小椋孝一本部長

オートデスク
小椋孝一本部長

 世界の2D CAD市場でデファクトのグローバル標準フォーマットとして市場を形成してきたAutodeskによれば、2005年末時点の世界市場で約700万件の同社2D CADユーザーがあり、このうち製造業ユーザーが約250万件、さらにそのなかで3D CADのInventorユーザーが50数万件あり、3Dのなかで(Ariasを除く)データ管理まで使用しているユーザーが約2万件となっている。成長率では、2D CADユーザーが06年末には780〜800万件に達する見通しのなかで、製造業は20〜24%増、3Dが30%増、データ管理が50%増とそれぞれ拡大する見通しだ。
  米欧は競合する有力な2D CADがほとんど不在の環境下で、AutoCAD LTユーザーが3Dへ、さらにデータ管理追加へというシフト傾向をたどる。
  これに対し日本の2Dの環境は若干異なる。日本にはAutodesk社製以外の2D CADメーカーが多数あり、その幅広いユーザー層が存在するからだ。オートデスク製造ソリューション本部の小椋孝一本部長によれば「05年にはAutodeskの製造業向け専用2D CADであるAutoCAD Mechanicalが前年比で37%伸びたが、これはユーザーが汎用AutoCAD、AutoCAD LTから専門機能を備えたCADへシフトしたことに加え、他社2D CADからAutoCADの移行が大きく働いた。他社の2D CADからAutodesk 2D、3D CADへの乗り換えは、毎年5,000〜6,000社にのぼるところが日本市場に特異な動き」と語る。
  2D CAD市場はすでに成熟し、ユーザー数に匹敵するCAD本数はすでに市場に出回っていると思われがちだ。2D CADの新規、増設は話題に上りにくい。しかし小椋本部長は「日本国内で2Dエントリー版のAutoCAD LTはここ数年間、毎年10万本の単位で出荷され続けている。同製品は低価格汎用CADとして、2D専用CADや3D CADへのステップアップを準備するベースとなるため、その拡大はCAD市場全体の拡張につながる。Autodeskでは3D CAD Inventor のユーザーを05年までの3年間、40%の伸長率で伸ばした」と語る。
  Autodeskは、2D CAD市場でフォーマットを戦略化できる唯一の企業だ。AutoCADで利用しているファイルデータ形式DWGは世界の2Dのデファクトの標準形式として通用するが、市場にはDWG互換を表明したプログラムが氾濫しており、変換時のトラブルの原因となるなど数々の問題を引き起こしていた。Autodesk では06年のバージョンからピュアなDWG製品以外は保証しない方針を明確に打ち出したことも、純正DWG製品の需要を押し上げていると考えられる。

信頼性、安定性で選ばれるHICAD

日立のHICAD/DRAFT for Windowsの図面チェック機能

日立のHICAD/DRAFT for Windowsの図面チェック機能

町井克司主任技師

日立製作所
町井克司主任技師

 「機械系設計領域では、今や投資の中心は3D CAD、しかし現状の顧客が主として使用しているのは2D CADというのが基本で、特に電気・精密機械系では入稿、手配発注などデータ流通の方式は2Dの図面が主流だ。また、3次元まで必要としない銘板、電化製品のフロントパネルのデザイン、電気系シーケンス図など2Dが手軽で効率的な設計領域もある。日立の研究所が開発して外販している2D CADのHICAD/DRAFTのライセンス数も、04年を底に減少傾向に歯止めがかかり、それ以後は増加している」と語るのは、日立製作所ソフトウェア事業部ネットワークソフトウェア本部第3ネットワークソフト設計部の町井克司主任技師。
  町井主任技師によれば、日立の2D市場における大手中心のHICAD/DRAFTのシェアは5%程度、中小企業向けCADのGMMのシェアも約5%あり、あわせて10%程度の占有率をもつ。
  2D CADの需要を押し上げているのはサプライヤ側。さらに開発設計の外部委託が進み、仕事を受ける側が、依頼者側と同じCADを入れていく動きがある。また日立グループ自体がM&AでCAD使用者が流動化している。この結果、新しい会社と一緒になると開発ツールを揃えることになり、HICADが採用されてライセンスが増加している。これは日立グループ内に限らず、HICADの大手顧客でも同様のライセンスの追加が生じている。
  2Dは機能的には成熟していることの利点もある。原子力発電のように製品寿命が100〜200年という装置のデータの長期保存を求められる領域では、長期安定性、信頼性を保証できるCADシステムが重要だ。日立はこの領域にもフォーカスし、信頼性、継続性、互換性を重視することを製品開発のポリシーとしている。このため新しいプラットフォームへの追従を果たしながら、CADの根幹を変えない方針だ。
  さらに流通するデータのセキュリティ確保の新機能を検討中で、来春バージョンに向けて図面のパスワード付与を開発中だ。

 

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