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CAD最前線

2007年1月

マルチCAD使い分けによる市場拡大続く


充実するミッドレンジ3D CADの次の手

3Dフォーマットの業界標準を目指す

SolidWorks2007のSWIFTのフィレット操作

SolidWorks2007のSWIFTのフィレット操作

岩本康栄専任課長

ソリッドワークス・ジャパン
岩本康栄専任課長

 Windowsベースで開発された最初の3DモデリングCADとして伸長してきたSolidWorksは、世界ベースのライセンス件数では06年で60万ユーザーを突破。 現在ではDassaultグループの売り上げの約23%を占める。すでに30万以上の2次元CADのユーザーをSolidWorksが吸収してきた。Autodeskが2次元で確立した業界標準フォーマットを3次元で確立することを目指している。
  日本はライセンス件数では世界の約1割だが、日本法人の売上げでは20%近くを占める。機械設計に立脚しながら、サーフェス作成、モールド、板金などの機能を追加して、対象となる製造業の領域を拡張してきた。
  製品の柱としては3Dモデラー「SolidWorks Office Premium」をフラッグシップ製品として、設計者が設計の初期段階から使える解析ツールの「COSMOS」製品群、07年から市場投入を開始する複数拠点間の設計データの共有・管理ツール「PDM Works Enterprise」を揃える。
  ソリッドワークス・ジャパン、マーケティング部でプロダクト・マーケティングの岩本康栄専任課長によれば、製品開発の戦略としては、かつては新機能の追加に忙しかったが、この2〜3年ではパフォーマンスと品質面での拡充に重点が移っている。近年のバージョンでは、「2D設計から3D設計にスムーズに移行し効果を出すことを実現する仕組み、業種ごとの専門機能の強化、新技術などが開発の重点課題となった」という。
  例えば、SolidWorks2005では、図面化の機能を強化して、2D CADとの連携に注力。図面同士を比較する機能ツールや、DWG/DXF編集ツールDWGeditorを追加した。DWGeditorはDWG/DXFフォーマットの2次元図面を編集して3Dスケッチに取り込んだり、逆にSolidWorksでの成果物をDXFに変換して2Dの編集ツールでの編集を可能にするインターフェース機能を実現した。
  同2006では、軽量アーキテクチャの適用拡大でメモリを低減する一方、機能を拡張するアプローチを採用。またマルチスレッド、バックグラウンド・プロセス機能を盛込んだ。これにより大規模モデル図面でも素早く開くパフォーマンスを実現した。さらに検図を支援するツールDesign Checkerを組み込んだ。最新2007では完全64-ビット対応を実現し、大規模解析への対応を可能にした。CADのインテリジェント性能を高度化するSWIFT(SolidWorks Intelligent Feature Technology)の初導入も果たした。
  2次元のDWGフォーマットへの対応策としては、DWGeditor、AutoCADにプラグインするフリーモジュールDWGgateway、2Dと3Dをビューイングできる無償のDWG viewerの3製品をリリースしている。

ダイナミックモデリング推進

宮岡鉄哉部長

コクリエイト・ソフトウェア
宮岡鉄哉部長

 「電機・電子、ハイテク製品の開発領域で、プライオリティが高いのが《時間》だろう。すなわち設計サイクル、開発期間であり、いかに早く市場の動きや競合の動きに対応したり、新技術の製品への取り込みが素早くできるかなどが重要なポイントになっている。ダイナミックモデリングやノンヒストリというCADの特性が、市場から求められる背景がそこにある」と語るのはコクリエイト・ソフトウェア、マーケティング部の宮岡鉄哉部長。
  CAD設計者が2Dから3DへCAD環境を移行する場合にも、その時間の効果が重要な判断基準になる。「3Dに移ろうとするときに、導入学習のための時間や作業の手数が増えたり、水平展開に手間取ったりして、その時間(短縮)という課題が実現しきれず、3Dに移行できなかったCADユーザーは結構多かったのではないか。」

CoCreateのOneSpace 2007のレンダリング機能

CoCreateのOneSpace 2007のレンダリング機能

  CoCreateの3D CAD OneSpaceの特徴はノンヒストリ、ダイナミックモデリングといったところにあり、直接的な効果としては形状編集のし易さにある。しかしヒストリベースのフォーマットを特徴とする競合他社でも、最近はダイレクト・モデリング、ファンクショナル・モデリングという名称で、ヒストリ(履歴)を使わない機能を実装し始めたことにより、差別化が以前ほど明確でなくなった。これに対して宮岡部長は「履歴を持っていても使わないことと、履歴を持たないこととの違いは大きい。CoCreateのOneSpaceは履歴を持たないから一切の履歴を考慮しないで済む。これに対して、ある部分は履歴を遡って編集する必要があり、別のある部分にはその必要がない、といったヒストリベースのCAD編集には複雑さが残る」と強調する。
  ノンヒストリベースの設計は、CADユーザーの習熟と立ち上がりの早さを特長とする。プロジェクトに応じて派遣エンジニアを活用する頻度が高いほど、またエンジニアの入れ替わり、設計の外部委託などが増えるほど、エンジニアのCAD習得のための時間は避けられず、その立ち上がりの早さの効果がプロジェクト全体に重要な意味を持つことになる。
  また「履歴にひもづくフィーチャーという登録情報がないことから、データ容量が圧倒的に小さく軽いOneSpaceでは、多数の部品で構成される複合機のような大規模アセンブリ形状での、干渉チェックなど検証を含むパフォーマンスのよさが発揮できる」と宮岡部長は語る。
  06年12月にリリースしたOneSpace2007ではダイナミックモデリングによる形状作成編集機能と大規模アセンブリへの対応を一段と強化している。また大規模アセンブリを扱いつつ設計検証する機能と、ドキュメントに関連して3D図面への展開を含めた。加えて、モデルデータ管理のModel Manager2006をリリースした。

 

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