技能を事業に生かしてこそ
このような「作り込み」の技能を今の時代にどう継承するかは容易でない。モノづくり学校を作る、マイスター認定制を設けるというのでなく、本筋は、伝承すべき技能を利用した商品を脈々と作り続けることしかない、と私は思っている。技能が生きて使われないような事業にしてしまっては、マイスターも博物館の飾りでしかなくなるからだ。
ただ、加工法が手動から自動に変わっても、精密ゲージ作りの原点は揺るがない。当社の経営理念P&P(Precision & Productivity)はまさにゲージの本質を表している。作りに際しては精密さを要求され、用途においては世の中の生産性改善、量産に寄与することが、当社の開発商品の全てに求められる。
今年4月から、各工場に分散している生産技術部門を統合する計画だ。「作り込み」の技能を集約することで、技能の継承を強化する。黒田精工のエンジニアには「作り込む」精神に加え、開発応用の視野を広げるために基礎技術と基礎知識をあらためて重視するよう求めている。
(聞き手:甲斐真一郎)