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THK、舟橋浩取締役
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THKのセラミックLMガイドRSR-Z形 |
工作機械や半導体製造装置などの装置内部での位置決めに用いる直動機器としては、リニアガイドとボールねじが使われているが、やはり速度や精度そして剛性などを重視する場合にはリニアガイドを採用することが多くなる。
リニアガイドのパイオニアであるTHK技術本部長の舟橋浩取締役は「リニアガイドは、転動体により摩擦を小さくして動きを滑らかにするという点で軸受と同じ構造を持つ。しかし、一方向に回り続ける軸受と、往復運動をするリニアガイドでは開発要素が異なってくる」と話す。
顧客からの技術要求としては、高速、高加減速、高精度、高剛性の4つに分けられ、これらの性能を引き出すために、ボール循環部のメカニズム、ブロックとレールの接触構造、潤滑の3要素を合わせ込んで行く。高速性能では、ボール循環部のメカニズムを工夫することで、射出成形機の取り出しロボットなど用途で従来毎分400mだったところを、1.5倍となる毎分600mまで向上することに取り組んでいる。最高速までの立ち上がりと即座に停止することに重要な高加減速性能では、現在は10〜15G程度だが、2倍以上となる30Gを目指している。リニアガイドの精度は、一定距離を移動した時に起こるずれ量である走り真直度として求められる。現在は300mmあたり50nmというのが最高精度だが、300mmあたりで10nmを実現すべく加工精度の向上に努めている。同社のリニアガイドの加工装置は、全て自社開発の専用機となっており「ミクロン以上の精度を出しながら、レール上の4本の溝を同時に研削/研磨するような装置は自社開発するしかない。そしてこの装置を改良することでさらに高い加工精度を出せるようになる」(舟橋取締役)という。
剛性を向上するには、ブロックやレールの材料や熱処理、ボール径、レール上加工する溝の形状など複数の要素での開発が必要になる。特にレール幅などサイズを変えずに剛性を上げるのが難しいという。
新製品として、鉄を使わないセラミック(窒化シリコン)製のLMガイド「RSR-Z形」を開発した。非磁性、標準品の2分の1という軽量、鉄に比べて圧倒的に高い剛性と耐薬品性が特徴だ。今後の課題はセラミックのコスト低減だが、すでに生産面での取り組みも始めた。
ミニチュアとローラー
日本トムソンの世界最小4条列リニアローラウェイLRXD-10
日本トムソンは、国内で初めて針状ころ軸受を開発したことで知られるが、現在の事業の中核はリニアガイドとなっている。同社のリニアガイド事業拡大の転機となったのは、1990年ごろ国内のステッパを始めとした半導体製造装置メーカーが大きく伸長した時期にあたる。山田尚且専務取締役は「リニアガイドで後発だった当社は、当時最小だったレール幅9mmでさらにステンレス製の『ミニチュアリニアウェイ』を投入することで、市場に受け入れられるようになった。以降ミニチュアでは常に先陣を切っており、現時点でレール幅1mmの製品を量産しているのは当社だけだろう」と語る。
工作機械分野では、剛性が足りないことからリニアガイドではなくすべり案内を用いることもある。日本トムソンで差別化戦略の一つとして、83年に転動体にころを用いて剛性を高めた「リニアローラウェイ」を国内で初めて開発したが、工作機械メーカーへの採用はなかなか決まらず、90年にはころの循環構造を2倍に増やしてさらに剛性を高めた4条列の製品を投入したものの、顧客への評価はままならなかった。「そこで95年に、外形寸法をボールタイプのリニアガイドと合わせた4条列の『スーパーX』を投入し、大手工作機械メーカーの大口受注を獲得したことがブレイクスルーになった」(山田専務)。現在はシェアも高くなり、JIMTOF2006に出展された工作機械で採用されているリニアガイドのうち、ローラータイプの50%以上が日本トムソン製だったという。
最新製品は、レール幅10mmの4条列ローラーガイド「LRXD-10」。従来品のレール幅12mmからさらに小さくなり、世界最小を達成した。