機能強化された解析ツールにより、設計エンジニアは気流と温度変化を高速で解析できるようになる
米Exa社がPowerFLOW流体シミュレーション・ソフトウエアを改善し、バージョン4として発表した。Power THERMとPowerCOOLと名付けられた2つの追加ツールが、PowerFLOW統合環境の中で、熱交換器の伝導や対流、放射、モデル作成などの熱伝導機能を提供することとなった。
この改善によって輸送などの分野における設計エンジニアは、同一の信頼性のある計算格子を使って、空力、空力騒音、熱計算などの複数の用途にまたがったシミュレーションを実施できるようになった、と同社は言う。
PowerCOOLパッケージには、自動車のボンネットの下で発生する、冷却用の空気流と熱交換器間の熱伝導をモデル化できる解析ツールが追加された。PowerTHERMは固体内の熱伝導だけではなく、高熱を帯びた表面間の放射をもシミュレーション可能とした。この機能は、ボンネットの下及びボディの下の表面温度を正確に予測するためには欠くことができない必須要件である。計算結果はPowerFLOW対流ソルバーに統合されるため、放射と伝導の影響を考慮に加えることができる。
PowerFLOWバージョン4の改善には、Exa社が10年以上に渡って使用している物理モデルの向上と格子ボルツマン法(LBM)の発展が取り込まれている。LBMの応用は米国国立科学財団(National Science Foundation)の支援を受けて開発されており、従来の方法と比較して予測精度が高く、矛盾の無い解析結果を得ることができる、と広報担当者は述べている。
バージョン4では、さらに、かなり複雑なCADモデルを正確にシミュレーションする機能が強化されている。高周波領域でより精度の高い予測が可能な空力騒音のツールが搭載されたと同時に、広範囲の温度領域をシミュレーション可能なように温度範囲が拡張された。また、温度ソルバーの処理速度が改善されたために、温度シミュレーションが高速化された。
これらのツールを搭載することで、Exa社の統合ソフトウエア・ソリューションであるTotalANALYSISが強化され、ますます短くなる製品開発期間内に実施すべき空力、熱計算、空力騒音などの迅速な解析に利用される。また、これらの解析機能を使うことで、自動車などのメーカーは、設計エンジニアにより多くのシミュレーションを実施させることができると同時に、設計工程を通して使用する高価な試作品の数を減らすことが可能となる。
同製品は米Ford社、独Audi社、韓国ヒュンダイ社、米Kenworth社、米Peterbilt社などの自動車メーカーに広く使われている。
(Terry Costlow、コントリビューティング・エディター)