PDM(Product Data Management)の領域でBOM(Bills of Material、部品表)管理の議論が活発だ。開発設計領域で、BOMのデータ管理をベースに設計する手法が注目されているばかりでなく、仕様確定・見積を構成するコンフィグレーション領域、工程管理、品質管理、設計変更管理、調達・サプライヤ管理、原価管理、プロジェクト管理、保守メンテ管理にいたる製品ライフサイクル全般にわたる管理機能をBOMから引き出そうとする試みが続いている。他方、エンタープライズの全体最適化を目指して、ベンダーごとに林立しているPDM/PLMを横断的に連携しようという提案も始まった。
ネクステック、山田太郎社長
BOMとPDM
日本の製造業におけるBOMの開発には約35年の歴史があり、日本アイ・ビー・エムがCADAMの導入を開始した約25年前よりも古い。MCORの沖信一社長は「製造業の根幹は部品番号であり、その部品番号を包含するBOMをベースに製品設計から生産までデータ管理を実現できれば理想だが、現在のBOMの多くが手作りで、CADを含め市販のアプリケーションソフトとつながることが技術的に難しい」と語る。
製造業のBOM構築を手がけるネクステックの山田太郎社長は時代を指摘する。「BOMが注目されている背景には工業製品が成熟して、何か新規に作れば売れる時代ではなくなったことがある。むしろCADで斬新な形状のものを多産すれば、品質上の問題やコスト面、納期で問題を抱えるから、流用設計や実際につくるまで上流段階で検討するには現状ではBOMが有利だ、ということからBOM議論が活発に行なわれている。」
日本IBM、ソフトウエア事業PLM事業部は、アプリケーションとしてはDassault Systemes(以下DS)製品を中心に展開。製造業が抱える各種の課題、特に、グローバル同時立ち上げを実現する方法、2007年問題とも絡んで職人的な技術者のメンテナンスに頼ってきたレガシーBOMの陳腐化と再構築問題、グローバルな製品展開における仕向け地対応と派生管理、設計変更と派生管理、環境規制への対応などに対して、パッケージ製品とコンサルティングを統合したサービスを提供している。
同部PDMコンピテンシー・センターの大村亮介担当は「特にBOMは業務がそのなかに凝縮し、顧客の事業のノウハウの塊となっているため、プロセスの中でも要となる領域だ。その再構築には顧客側にも大掛かりな体制を要求することになる。そこにひとつの大きな課題エリアがある。大手企業ならば、それを維持するための組織・要員確保に組織的に取り組んでいるが、中小企業ではPDMの中核を維持するのに、一握りの『BOMの神様』と呼ばれる熟練者に依存している事情がある」と語る。