著者_Charles J. Murray、エレクトロニクス担当シニア・テクニカル・エディター
自動車用Drive-by-Wireアプリケーションのタイムトリガ型ネットワーク・プロトコルとして策定されたFlexRayに大きな関心が寄せられつつある。Drive-by-Wire技術が受け入れられるまでには時間がかかったものの、今や自動車業界のエンジニア達はさまざまな自動車プロジェクトでFlexRay準拠ハードウエアの設計に取り組んでいる。最近では独BMW社が同社のSAV(Sports Activity Vehicle)「X5」にFlexRayを採用し、他の自動車メーカーも車台マネジメント、ステアリング、エンジン制御、ブレーキング、エアバッグ制御、車間距離制御などの用途にFlexRayを採用する予定だと伝えられている。
FlexRayの顧客ベースが拡大している主な理由は、その確定的で、フォールト・トレラントな性質と、10Mビット/秒のデータ転送レートにある。ネットワーク・スループットが向上するためコスト削減につながるほか、帯域幅の問題を解決するために現在使われているCANネットワークの数を減らせると考えられている。
「X5はすでに走り出しているが、これは氷山の一角に過ぎない」と、蘭NXP Semiconductors社で車載ネットワーク・コントローラおよびFlexRayの業務開発マネジャーを務めるToni Versluijs氏は言う。「他の自動車メーカー数社も、FlexRayを採用した新車の設計に取り組んでいる。」
以下では、NXP Semiconductors社、米Texas Instruments社、米Freescale Semiconductor社の3社から提供されているFlexRay準拠のコントローラとトランシーバを紹介する。
NXP社の‘世界初’FlexRayトランシーバ
BMW X5に搭載されているNXP社の新製品TJA1080は、世界初のFlexRayトランシーバだと言われている。主に1〜10 Mビット/秒の通信システムを対象として開発されたTJA1080は、FlexRayネットワーク内のプロトコル・コントローラと物理バスをつなぐ最先端インターフェースである。ノード・トランシーバとして、あるいは単一デバイスでのActive Star型トランシーバとして設定できる。詳細についてはhttp://rbi.ims.ca/5383-539から。
TI社製デュアルコアFlexRayチップ
Texas Instruments社のデュアルコアTMS570 MCUプラットホームには、2個の英ARM社製Cortex R4コアと2MBのオンチップ・フラッシュメモリが搭載されている。独Robert Bosch社との共同開発で対象とされたアプリケーションには、シャーシ制御、ブレーキング、EVSC(electronic vehicle stability control)、ステアリングが含まれる。デュアルコアは特許出願中のアーキテクチャによって密結合され、FlexRayネットワーク・プロトコルはデバイスに直接実装されている。詳細についてはhttp://rbi.ims.ca/5383-540から。
Freescale社製
16ビットFlexRayマイクロコントローラ
BMW X5にも搭載されているFreescale社のMC9S12XFファミリは、ボディやシャーシ、セーフティなどのアプリケーションで使用されているFlexRayネットワーク上の組み込みノードの分散制御を可能にする。このファミリの特徴は、さまざまなメモリ構成を実現する4つのMCUと、Freescale社製のXGATEコプロセッサが組み込まれている点だ。パッケージオプションは、最大10×10mmの112ピンLQFP(low-profile quad flat-pack)デバイスから64ピンLQFPまでがある。詳細についてはhttp://rbi.ims.ca/5383-538から。