従業員200人のCorbin-Pacific社では、バイク用カスタムアクセサリの生産革新のためリバースエンジニアリングを採用した
著者_Doug Smock氏
材料担当コントリビューティング・エディター
Corbin-Pacific社の“シェイパー”がクレイを使ってスズキM-109用のアクセサリをデザインし、彫刻する
米カリフォルニア州ホリスターにあるCorbin-Pacific社は、長く「手作り」をよりどころにしてきた町工場だが、この会社に新しい製造技術の波が押し寄せている。同社は特別設計の手作りサドルバッグ、フェアリング(風防)、背もたれ、それに必需品を運ぶための“スマグラーボックス”と呼ばれる収納ボックスの製造元として、バイク愛好家によく知られている。時にはMike Corbinの“天才職人工房”と呼ばれている。
雇用を大幅に増やすことなく、製品の市場投入をスピードアップし、生産能力を伸ばそうと取り組んでいる中で、最近Corbin社はリバースエンジニアリングプロセスを導入し、ラピッドプロトタイピングに取り組もうとしている。「バイクのカスタムアクセサリ市場は熱狂的愛好家が主導している」とマーケティングマネジャーのGreg Hurley氏は語る。「そして性急な市場でもある。Corbin社が新製品開発期間を短縮できれば、顧客を満足させ続けることができる。」Corbin社のデザイナーの製品開発プロセスは、世界のトップメーカーが毎年発売する30あまりの新しいストリートバイク、オフロードバイクおよびスクーターをつぶさに調べることから始まる。次に“シェイパー(造形士)”と呼ばれる8人のデザイナーはモデリング用のクレイ(粘土)を使用して各新製品コンセプトの左半分を彫刻する。Corbin社のすべての製品は車両中心線に対して対称であるため、片側半分だけをモデリングすればよい。デザイナーたちはバイクの雰囲気を彼ら独自のやり方で写しとろうとする。
ハーフモデルを1つ作り上げるのに約1週間かかる。次にモデル作成者がボール紙製の型板、測定具、巻尺などを用いて右半分を複製するが、これは不正確になることがある。完全な原型は2液反応型ウレタンでできており、ハンドレイアップ成形によるガラス繊維製の型を作るために使用される。
これは非常に時間のかかるプロセスであり約4週間かかる。次に同社の所有する米Rotokinetics社製の回転成形機でABS樹脂を部品に成形する。その後、仕上げ工程が必要であり、ルーター加工により、部品のバリを取り、開閉部や鍵、取り付けポイントのための穴があけられる。表面を手でやすり掛けし、その後、組み立て、コーティング、塗装を行い、光沢が出るまで磨きあげる。
つい最近までCorbin社は、労働集約型の製造が中国に移管されて行く中で、一般的とは言えないものの「手作り」業界のよりどころとなっていた。