中国内での電子情報製品への特定有害物質使用制限法制「電子信息産品汚染控制管理弁法」、いわゆる「中国版RoHS」が07年3月1日に施行された。リード・ビジネス・インフォメーションは3月12日、東京コンファレンスセンター・品川で中国版RoHSの所管官庁である信息(情報)産業部において政策決定に大きな権限を持つ経済体制改革・経済運行司の王秉科副司長をはじめ5人の講師を中国から招き、第3回環境規制セミナー「中国版RoHSで何が必要か?」を開催した。以下各講演者のスピーチの概要を紹介する。
信息産業部、経済体制改革・経済運行司、王秉科副司長
中国版RoHSは段階的に推進
王副司長は、中国の電子情報産業の現状と将来性、中国版RoHSの目的と意義、今後の運用方針について講演を行った。
信息産業部が所管する「電子情報製品」の中国市場規模(生産、輸入を含む)は、06年で4兆7,700億元(約73兆4,600億円)に到達した。なかでも携帯電話は4億6,000万台、カラーテレビは8,500万台で、共に世界全体の年間生産台数の約40%を占めるなど、世界の工場としての地位を確立している。一方で、技術レベルも様々な企業が生産移転する中で、環境保護や資源節約の面で劣った企業もある。王副司長は「中国版RoHSは国内産業を守るための輸入規制なのではという意見があるが、我々は現状を放置せずに、環境保護や資源節約などを含めて電子情報産業の持続可能な発展を目指すための法制として策定した」と語った。
中国版RoHSの運用は、対象製品に有害化学物質の含有情報を表示するだけの第1段階と、対象製品を「重点管理目録」に登録して罰則を含めて厳しく規制する第2段階に分かれている。現在は第1段階の表示義務だけだが、第2段階への移行プロセスやスケジュールについては発表されていない。王副司長は「表示義務から始めれば、急激な生産プロセス変更などもないので、企業のコスト負担も少なくて済む。第2段階への移行のスケジュールについては現時点では白紙であり、対象製品の技術成熟を確認した上で、事前通告を行ってから重点管理目録に登録する。中国版RoHSは、段階的に、そして着実に推進して行く」と話した上で、「立法プロセスは公開公平であり、今後の法制運用を円滑にするためにも日本を含めて企業の参加が必要だ」と協力を求めた。
中国版RoHSの策定作業は、中国内で完結しているイメージがあるが、2006年3月の公布時から中国国内だけでなく海外企業にもヒアリングを行って来たという。現時点で、中国版RoHSの各種基準を策定する業務グループは118社で構成しており、海外企業は66社と半分以上を占める。松下電器、ソニー、NEC、エプソンなど日本の大手電機メーカーも参加している。