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Cover Story

2007年6月

プラスチックが実り始めた


トウモロコシ、ジャガイモ、オレンジ、トウゴマなど
プラスチック用の新しい原材料で食料品店を開くことができるかもしれない。


日本における環境意識の向上

  現在、最も活気に満ちた開発が行われているのが日本である。近年施行された「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)」、「資源の有効な利用の促進に関する法律(資源有効利用促進法)」および「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)」の3つの法律が開発に拍車をかけている。
  この主導役の一社が富士通である。同社では2年前に、東レと共同開発したPLA材料を使用してFMV-BIBLOノートPCシリーズ用のハウジングを開発した。このエコディアと呼ばれる東レの材料が対象とするのは、繊維、布地、成形部品およびフィルムである。富士通と東レでは当初2002年に純粋なPLAでこの環境関連法規に対応しようとした。しかしこの材料には十分な難燃性がなく、耐熱性が低いために成形が難しかった。彼らはPLA(50%)を、石油を原料とする独自のアモルファス(非結晶)プラスチックに混合することで、必要となる特性を得ようと決めた。
  東レでは現在900万ドルをかけて韓国にPLAを生産するための工場を建設中である。その年間生産能力は5,000トンである。韓国に包装材料の改革をもたらした韓国Saehan社が10%の出資者になっている。韓国における包装材料は現在急速に生物分解性のPLAに移行されつつあり、米国ではこのトレンドは始まったばかりである。東レではさらにPLAフィルムに使用するナノ添加物(http://rbi.ims.ca/5389-549)を開発中である。特筆すべきは、最近までPLAはその生物分解性だけを理由として使用されてきたということである。しかし、この富士通のハイブリッド材料に生物分解性はない。事実、富士通ではノートPCを埋め立てたいとは考えていない。そうした場合、有毒金属が汚染を引き起こすおそれがあるからである。同社の目的はプラスチック部品のリサイクル率を上げることである。最近、富士通では新たな取り組みを発表した。

Cover Story 4

Arkema社ではPA 11の原料として50年以上に渡ってひまし油を使用してきた 提供:富士通

  同社では現在、フランスの化学メーカーArkema社と共同でひまし油を原料とするバイオプラスチックを開発しており、このプラスチックはトウモロコシから作られるプラスチックよりも高い柔軟性を示す。その目的はノートPCにおけるバイオプラスチックの使用を拡大することである。ひまし油を使用したのはナイロン(ポリアミド)11の原料だからである。富士通の発表によれば、「PA-11の鎖状分子の相互作用を弱め、その有機体構造の立体規則性を緩めることによって得られたこの新材料は、折り曲げた際に生じがちな白化を起こすことなく繰り返し曲げに耐えるだけの柔軟性を持つ」という。

  PCカバー部品の試作品はこの新しいバイオプラスチックを60〜80%含み、これは今日において比類なき値となっている。強度を増すために高密度フィラーを添加している。富士通の目的はこの材料を、ノートPCのカバーなど高い耐衝撃性を必要とする用途に使用することである。また、富士通ではこの材料を携帯電話のカバーにも使用することを望んでいる。Arkema社の技術ポリマー事業のマネジャーThomas Grimaud氏によると、この新材料では石油を原料とするナイロン6/6に比べ二酸化炭素排出量が42%減少する。
  Arkema社の新しいRilsan PA 11はこのたび、欧州およびブラジルにおいてバイオ燃料を輸送する燃料パイプ用に承認された。この開発を行った主な動機は性能である。この新しいRilsanはポリアミド12に比べ、バイオ燃料の強い化学作用に対して長時間にわたる良好な耐性を示すとされている。興味深いことにRilsan PA 11は新材料ではない。「我々はこの材料を50年以上に渡って製造してきた」と語るのは、Arkema社の市場開発担当であるTodd Rogers氏である。「ひまし油はすばらしい特性を持つので、我々は常にひまし油でこの製品を作ってきた」この製品は自動車のブレーキホースに加えて製油用途でも幅広く使われている。
  今年の初め、ドイツの自動車部品メーカーであるFreankische社(http://rbi.ims.ca/5389-552)は、Rilsanポリアミド11をベースとする技術を用いた燃料ポンプモジュール用の安全強化型の燃料ホースを発売すると発表した。この新しい燃料ホースはSAE J1645自動車標準に準拠している。この標準は、燃料系統内での火花を防止することで事故の危険性を減らし、乗員の安全を向上するために策定された。米General Motors社ではすでに新しい北米向け自動車モデルで非導通の燃料ポンプモジュールを交換した。これは環境的な取り組みではなく、それがその用途に最適な材料であったからだ、とRogers氏は語る。しかし、持続可能な材料に対する新たな注目がこの材料に対する関心を増しているのである。1kgあたり13.2ドル(1ポンド当たり6ドル)という高価格は、この材料の用途を制限することになるだろう。
  しかし日本におけるこの取り組みは明らかに環境目的に関連したものである。

Cover Story 5

Arkema社ではPA 11の原料として50年以上に渡ってひまし油を使用してきた 提供:富士通


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