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Cover Story

2007年6月

プラスチックが実り始めた



ケナフ麻による強化

Cover Story 4

NTTドコモが提供するエコモバイル携帯電話の色はピンクで若い女性層をターゲットにしている 提供:NEC

  NECはケナフ繊維で強化したPLAベースのプラスチックを使用して、日本で最大の携帯電話会社であるNTTドコモ向けの携帯電話のケース全体を作っている(http://rbi.ims.ca/5389-553)。ケナフ繊維によって強度が増し、バイオプラスチックの割合を90%と、かなり増やすことが可能になった。「この電話の画面とキーの周りを除いた約75%の表面がケナフ繊維で強化されたバイオプラスチックでできている」と語るのは、NECモバイルターミナル事業部商品企画部の主任、森山祐助氏である。
この“エコモバイル”電話では“ナチュラル”なデザインを創造するために素材感のある外観を用いた、と語るのはNTTドコモ プロダクト&サービス本部 プロダクト部 第三商品企画担当課長の廣澤克彦氏である。この電話は当初若い女性層をターゲットとしており、色はピンクしかなかった。この電話のプラスチックは、テラマック(http://rbi.ims.ca/5389-554)という商標名を持つPLAプラスチックを製造している日本の素材開発メーカー、ユニチカによって開発された。その融点は170℃で、衝撃強さ(ISO 179)は5.6である。
これにはソニーも関与している。同社マテリアル研究所 環境技術ラボ シニアエコマテリアルエンジニアである森浩之氏によると、ソニーではPLA(http://rbi.ims.ca/5389-555)を使ったいくつかの小部品を使用しているが、同社はより高い性能を求めているという。ソニーの研究によると、PLAベースのポリマーはABSに比べ、二酸化炭素の排出を20%、非再生資源の投入量を55%削減できるという。
米国では、工業用途の技術開発の主導者はデュポン(http://rbi.ims.ca/5389-556)であると見られている。同社は国際プラスチック展示会NPE 2006において、SoronaポリトリメチレンテレフタレートおよびHytrelエラストマーの植物ベースグレードを、トウモロコシの糖から誘導したプロパンジオール(PDO)を用いて製造する計画であると発表した。デュポンによると、ジオール原料に重合化の技術を組み合わせることで、競合するバイオプラスチックよりも優れた物理的特性を持つポリマーを生み出すことができるという。新しいSoronaは良好な剛性および強度を示す。デュポン社のバイオ関連技術に関する技術事業開発マネジャーであるJoe Kurian氏は、新しいSoronaはポリブチレンテレフタレート(PBT)よりも優れた表面外観と光沢を持つ、と言う。

Cover Story 4図の燃料キャニスターリッドなどの自動車部品はSoronaエンジニアリングプラスチックの多くの用途の1つである
提供:DuPont社

Soronaの価格競争力
  新しいSoronaのグレードはハイブリッド・ポリマーになり、その成分の37〜40%がトウモロコシなどの再生可能な資源からなる。「現在使用可能な技術により、これを50〜60%にすることができるかもしれない」とKurian氏は語った。ターゲットとする市場は、自動車、電気製品およびコネクタである。顧客が現在この材料を試験中である。今年末までには発売する予定である。「我々の目標は(従来の材料の)2、3倍ではなく、誰もが購入できる価格で製品を提供することである」とKurian氏は語る。
  デュポンの新しいSoronaを使用するために装置や工具に新たな投資をする必要はない、とKurian氏は言う。Sorona(http://rbi.ims.ca/5389-557)は布地および繊維市場に向けた石油を原料とする材料として数年前に投入された。その原料は植物由来の材料に切り替えられつつある。
  新しいHytrelグレードの物理的特性は、現在の石油を原料としたHytrel(http://rbi.ims.ca/5389-558)に匹敵するものになるであろう。バイオ材料はそのグレードに応じて化合物の35〜65%を占めるようになるだろう。
  デュポンでは英Tate & Lyle社(http://rbi.ims.ca/5389-559)と共同で、バイオPDO生産のための世界最大の好気性発酵プラント(http://rbi.ims.ca/5389-560)をテネシー州Loudonに設立した。その年間生産能力は45,000トンである。Soronaポリマーは、ノースカロライナ州Kinstonのデュポンの工場で、バイオPDOをテレフタル酸(TPA)又はジメチルテレフタレート(DMT)で重合したものである。デュポンはKinstonおよび中国工場での生産能力を拡大している。
  この他の開発としては、米P&G社とカネカがポリ構造のNodax H(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)と呼ばれるポリマーを商業化するために共同開発契約を締結した。P&G社ではこの件に対するコメントを拒否している。


 

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