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Cover Story

2007年6月

プラスチックが実り始めた


富士通、ソニーは、より環境に優しく、時として石油化学ベースのグレードより
性能もよい植物原料プラスチックへの移行を主導している


Cover Story 5

富士通ではノートPCカバーの所要部分にこれまで以上の柔軟性を持たせるため、ひまし油から作ったRilsan PA 11の試験を始めた
提供:富士通

その他の米国企業について:
NatureWorks社
(ミネソタ州Minnetonka)(http://rbi.ims.ca/5389-561)は米Cargill社が所有する独立系の会社である。米Dow Chemical社が一時、共同事業相手になっていた。NatureWorks社によると、同社は温室ガス効果のない商用ポリマーのシリーズを販売した最初の会社である。このポリマーは100%年次再生可能な資源から誘導され、石油原料の包装材料や繊維と競争できる価格および性能を持つ。同社では独自の技術を用いて天然植物の糖分をポリ乳酸ポリマーに加工している。このポリマーはポリスチレンに似た光沢と透明性を有し、炭化水素ベースの熱可塑性プラスチックと同等の引っ張り強さおよび引張係数を示す。ターゲットとするのはさまざまな種類の包装用途である。同社はPLAでできたボトルのリサイクルフローを確立する初期段階にある。NatureWorks社はネブラスカ州Blairにある工場でPLAを生産しており(年産14万トン)、同社によれば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの石油原料ポリマーと競争できるまで価格を低下させたという。NatureWorks社では商用のポリ乳酸市場のおよそ90%に供給しており、PLAからポリマーを生産する他の会社と販売契約を結んでいる。

 Metabolix社(マサチューセッツ州Cambridge)(http://rbi.ims.ca/5389-562)は米Archer Daniel Midland(ADM)社とアイオワ州Clintonに工場を設立し、ポリヒドロキシ酪酸(polyhydroxybutyric acid)をベースにしたプラスチックを4,540トン(1,000万ポンド)製造するためにパートナー契約を結んでいる。Metabolix社のプラスチックは遺伝子組み換え微生物から製造される。その主要技術の多くはマサチューセッツ工科大学(MIT)が所有するものであり、Metabolix社だけにライセンスされている。MITのライセンスは、登録済みの11件の米国特許、1件の出願中の米国特許およびそれらに対応する数多くの外国特許を対象としている。Metabolix社によると将来、同社のプラスチックは成長している植物の中で製造され、ポリエチレンなどのプラスチックに対して価格競争力を持つようになるという。

 Cereplast社http://rbi.ims.ca/5389-563)はカリフォルニア州Hawthorneに調合工場を持つ。この工場にはトウモロコシやジャガイモのでんぷんから2,270トン(5,000万ポンド)のPLAベースのプラスチックを作る能力がある。西海岸におけるごみを対象にした新しい州法に対応することを一つの理由として、現在、処理能力を4倍に引き上げている最中である。市場開発では食品関連の廃棄可能な包装に主眼が置かれているが、同社によれば、製品は機械設計品に使用されるかもしれない。現時点では、包装を堆肥(たいひ)化施設に廃棄できるような用途に最も適している同社のポリマーが機械設計に生かされる用途は出ていない。

 Novomer社(ニューヨーク州Ithaca)(http://rbi.ims.ca/5389-564)はコダックと共同で、Geoffrey Coates教授が代表を務めるコーネル大学の研究チームが開発した技術に基づいて商業用プラスチックを開発している。同社では、原料としての二酸化炭素と石油化学エポキシド又はかんきつ類から誘導したリモネン酸化物のどちらかを用いて脂肪族ポリカーボネート(APC)を合成している。Novomer社のAPCは生物分解性および生物適合性があり、光学的に透明で酸素と水に対する高い遮断性を示す。用途としては、薬物伝達、発光素子を用いた柔軟性のある電子スクリーンの構築、ポリマーベースの電解質、および最大で質量の40%の原料を二酸化炭素にできるポリウレタンフォームがある。このポリマーは高価になる可能性が高いので、ハイエンドの用途をターゲットにしている。


医療用インプラントの生物吸収性

 医療用インプラントに植物原料プラスチックを使用することがブームとなっている(http://rbi.ims.ca/5389-565)。医療用インプラントではこれらの材料はしばしば生物吸収性であると呼ばれる(http://rbi.ims.ca/5389-566)。
  1ポンド当たり2,000ドル程度することもある医療グレードのPLAは、組織を骨に接合するためのネジおよびアンカーを作るために使用されている。PLAを使用することで金属アンカーを取り除くために再手術をする必要がなくなる。また、X線に写るので、治癒過程を良好に観察できる。部品は通常Mar-Lee Industries社(マサチューセッツ州Fitchburg)などの特殊な造形会社で製造されており、このポリマーの最も有望な利用に対する加工ノウハウが集められている。
  現在開発中の薬剤注入用ステントには、生物吸収性のコーティングが使用されており、このコーティングは薬剤が治療する動脈に投与された後になくなる。ステント全体を生物吸収性素材で作ることを望む者もいる。


 

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