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News

2007年6月

SOFTWARE
アドビ、Acrobat 3D V8リリースで3Dデータ流通を加速


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ギャレット・イルグ社長

 アドビシステムズ(東京都品川区、ギャレット・イルグ社長)は、大容量の3D CADデータファイルをドラッグ&ドロップで汎用性の高い軽量PDFに変換できる「Adobe Acrobat 3D」の最新版Version 8の日本語版を6月中旬から発売する。主として製造業の企業内で、日常的なコミュニケーションツールとして流通させることを狙う。
  税込価格は通常版が13万5,870円、Acrobat 3D日本語版正規登録ユーザのアップグレード版およびアカデミック版がともに4万320円など。無償体験版は6月中旬から同社Webサイトからダウンロードできる。
  旧版では、3DデータをECMA(欧州電子計算機工業会)標準データ形式のU3Dを用いてPDF化していたが、新バージョンでは高圧縮のPRCファイル形式を採用して、PDF変換時にどちらか選択できるようにした。
  このPRC形式によって大容量のCADファイルをPDF変換できるようになった。マーケティング本部の小圷義之フィールド・プロダクト・マネジャーは「U3Dでは500MBを超えると変換できなかったが、PRCではGB単位でも変換できる」と説明する。PRC形式の採用はまた、3Dモデルの製品製造情報(PMI)の表示を可能にした。PMIは、幾何公差寸法、許容差情報、注釈、寸法、その他3Dモデル上に直接指定された仕様などの情報の伝達に使用され、CATIA V5、I-deas NX、NX、Pro/ENGINEER、JT Openなどのフォーマットに対応している。
  さらに、新バージョンではAdobe 3D PDFからジオメトリ情報を抽出して、STEP、IGES、Parasolidの形式に書き出し、保存・再利用が可能になった。Windows Vista対応、Office2007対応などAdobe Acrobat 8 Professional版の機能もすべて装備しており、MS Power Point、Excel、Wordに3Dモデルを取り込みそのままPDF変換できる。無償のAdobe Readerを使って回転・パン・ズーム操作など閲覧が可能だ。
  また3Dモデルの断面図を表示したり、3Dものさしツールを使った計測機能も備える。
  イルグ社長は「新バージョンは、製造業が取り組むグローバリゼーションに加え、日本企業に求められる創造性の強化を支援できる」と強調する。

大日本印刷の「CADVIZ REAL」
  大日本印刷はこの新バージョンを用いて、設計用CADデータから印刷に使える高品質の3D CG画像制作を可能にしたバーチャル製品制作「CADVIZ REAL」を事業化する。カタログ用試作車を作らず、製品を撮影せずに設計CADデータから新車の外装、内装カタログを作成したり、CADデータだけから起したCGイメージの乗用車を実写の背景映像と合成して走らせるコマーシャル映像を作成できる。
(甲斐 真一郎)

 

SOFTWARE
PTC、CAMソフトのNC Graphicsを買収
アジアの金型産業に照準


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Brian Shepherd シニアVP(製品開発担当)

 米PTC(マサチューセッツ州、Richard Harrison CEO)は、製品開発の金型加工、高精度サーフェス加工領域の機能拡充を図って、英国ケンブリッジに拠点を置く高速加工CAMソフト開発のNC Graphics(Cambridge)社を買収した。5月17日、東京で開催したPTC World2007の席上で発表した。

アジア太平洋市場を意識
  Brian Shepherd シニアVP(製品開発担当)によれば、同社の買収はこれまでPro/ENGINEERで提供してきた機械加工の領域で、NC工作製品の操作性の改善と拡張を狙ったもの。NC GraphicsはCNCを活用した高速ツールパス作成の切削ツール・ソリューションDEPOCAMを提供しているが、買収後は製品ブランドをPro/TOOLMAKERに変更する。
  今後の製品展開の方向性としては、高速5軸加工対応のソフトウエア技術を充実し、超高速加工、金型メーカーのプロセス自動化への組込み、自動削り残し認識など機能を拡張する。また、64ビット対応による大規模モデル処理に加え、Pro/ENGINEERのCADモデルとの親和性を提供し、Pro/TOOLMAKERで生成したツールパスをWindchillで管理することで、PTCの製品開発システムであるPDS対応を進める計画だ。
  今回のCAMの買収は特に「アジア太平洋地域市場を意識した決断」(Shepherd シニアVP)といい、日本、中国をはじめアジアでの金型産業へのアプローチを強化したい考えだ。

次期Windchill とPro/E Wildfire
  Shepherd シニアVPはこのほか、8月にリリース予定のWindchill 9.0、12月にリリース予定のPro/E Wildfire 4.0などの拡張機能を紹介した。Windchillでは、EBOM(設計部品表)からMBOM(製造部品表)の作成を可能とした製造プロセス管理(MPM)を初めて実現。これをベースに工場内の製造プロセス計画や、画像が入った作業指示書をWindchillで作成できる。
  またPro/E Wildfire 4.0ではダイレクトサーフェス・モデリングや、寸法・公差情報などアノテーション付3D図面、エキスパートユーザーでも15分かかる3Dモデリング形状の複雑なラウンドを9秒で実現する自動ラウンドフィーチャー、メモリ消費量を最大40%低減する大規模アセンブリ管理を初めて実現する。また、簡単なセットアップでライティング、反射、背景などのレンダリングをサポートするグローバルイルミネーションや、曲面にテクスチャ配置を可能にする設計プレゼンテーション、プリント基板設計に効果的なECAD‐MCAD連携、アクセス権を巡るデジタル権利の管理などを実現する計画だ。
(甲斐 真一郎)

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