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Rant

2007年6月

デジタル・マニュファクチャリングの威力


Peter Schmitt氏

Peter Schmitt氏は、Dassault Systemes社のDELMIAデジタル・マニュファクチャリング事業の副社長。

革新的な設計に与える強力な「雷光」インパクト

DASSAULT SYSTEMES社
PETER SCHMITT氏

 

 設計は、製品開発の魅力的な部分であり続けてきた。市場経済は小型化、軽量化、新素材やこれまでにない形状を要求しているから、設計という「星」はさらに長く明るく輝き続けることだろう。顧客が画期的な設計による効率性と美的品質を重視する傾向を強めるにともない、航空宇宙から民生電子に至るまで、産業界は革新的な設計に向けた投資を拡大する。

設計と生産
  この人々を惹きつけて止まない設計の魅力はマーク・トウェインの表現を思い起こさせる。すなわち「人々の気を引き付ける雷鳴ではなく、雷光が実際のインパクトを与える。」(“Thunder makes all the noise but it's lightning that does the work”)
  製品開発においては、設計エンジニアリングは「雷鳴」であり、ひとびとの想像力をひきつける。しかし、高品質の完成品という「雷光」を最終的に生み出すのは、生産エンジニアリングなのだ。

コスト、品質、短納期
  どんなに革新的な設計といっても低コストで製造できず、生産後のメンテにもコストがかさむようでは、ありきたりの設計と変わらないことになる。競合力のある設計エンジニアなら誰でもそのことを知ってはいるが、その知識どおりに実行できるとは限らない。設計エンジニアならば誰も生産エンジニアリングに難題を押し付けるようなことはしないが、数年来、品質追求と短納期問題という2つの原則の間に生じた分離が拡大し、設計イノベーションの妨げとなってきた。この分離は2つの要因からなる。ひとつは文化的、もう一つは技術的なものだ。

文化的要因と技術的要因
  文化的要因は、ますます分散化するビジネスモデルであり、ほとんどの産業分野で進行している。20年ほど前までは、設計と生産は同一の施設内で行なわれていた。今日では、設計と生産は、同じタイムゾーン(標準時間帯)内でおこなわれることもまれになった。その結果、両者がコラボレートする共通の基盤を失っている。
  技術的要因は、生産モデリングのソリューション手法に対して不釣合いなほどに多様に供給可能になったCADソリューション手法にある。CADは過去30年間に、指数関数的に進歩した。その一方で、これに対応する製品生産の技術はそれほど伸びなかった。エンジニアは物理的なプロトタイプを巡って低効率、高コストで試行錯誤する生産設計プロセスにとどまっている。このプロセスでは、初期生産コストがかさむことは確実だ。

デジタル・マニュファクチャリングと
PLM

  経済的に実用的なデジタル・マニュファクチャリングのソフトウエアと製品ライフサイクル管理(PLM)ソリューションの開発は、設計=生産エンジニアリング間の分離を生み出した文化的および技術的問題を解消する。包括的な製品ライフサイクル管理ソリューションの一部として、デジタル・マニュファクチャリングは、1980年代以降設計エンジニアが享受してきたような能力を、生産エンジニアに提供する。

可視化の効用
  これらのソリューションによって、エンジニアは生産ラインを細部に至るまで計画し組み立てることができる。デジタル・マニュファクチャリングによって、生産エンジニアはその成果物の作動状況を、それが実際の物理的対象となるよりずっと以前に、物理的対象として可視化できる。デジタル・マニュファクチャリングを利用する自動車や航空機の製造企業では、従来の生産計画プロセスと比較して、5%から20%生産効率が向上したと評価している。

ボーイング社の挑戦
  デジタル・マニュファクチャリングの価値を重視する企業では、そこに事業の極めて重要な部分を担わせている。
  ボーイングはその1社で、同社は次機787型『ドリームライナー』をフルデジタルのPLM環境下で設計した。同社のPLMプログラム遂行の目標には、設計の進展状況を最も初期の段階から生産エンジニアに「見える化」することが含まれていた。
  このことは、設計プロセスの後期段階にいたって修正を加えればはるかに高くつくような生産上の諸問題を、初期段階から摘み取ることを可能にした。ボーイングは787型機を、実生産が動きだすより以前に、「組立て」完了していた。
  この能力は、革新的な設計を現実化する。生産エンジニアが実用的でないと警告するような設計をプロセスの初期段階から知ることによって、設計エンジニアは、容易には生産できないような設計にかかわる無駄な時間を省くことができ、イノベーションに果敢に取り組むことができる。


 

 

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