787型機の各胴体、41(機首)、47および48(後部胴体)が5月11日の朝、ワシントン州エバレットにあるボーイング社の工場に到着した 出典:ボーイング
米国Design News誌では、米Boeing(ボーイング)社の革新的な大型ジェット旅客機「787 Dreamliner(ドリームライナー)」の開発プロジェクトの内容と、その複雑なシステムのコンセプトや、設計、製造に使われる手法を明らかにすべく、3カ月にわたる取材を遂行し、英文で総計18ページの特集記事を掲載した。
787型機が目指す、よりスムーズで快適な航行や、燃費の20%向上などの革新的な技術進歩はもとより、ボーイング社が787型機を設計し大量生産するために採用した手法は、現在そして未来においても、きわめて複雑な機械を開発するための新たな道筋として注目に値する。また787型機の開発が世界各国のサプライヤとの協力体制で進められたことは、仏Airbus(エアバス)社などとの厳しい競争環境下で全世界の航空会社に売り込みたいというボーイング社の意図と無縁ではない。エアバス社と違って政府の助成金を受けない1民間企業のボーイング社だが、787型機が5月末の時点で544機もの注文を受け、史上最も成功した大型航空機になっている事実にも満足はしていない。
787型機プロジェクトのチーフエンジニアTom Cogan氏は、「エアバスが今直面してる難関をわれわれもかつてくぐり抜けてきた。これからも両社の競合は続くだろうが、ボーイングはボーイングの、エアバスはエアバスの道を切り拓いていくだけだ」と語る。787型機の1号機は7月7日に完成し、それから2〜3カ月の間に初の試験飛行が予定されている。この成功を見るまで、ボーイング社のエンジニアや経営陣の心が安まる日は来ない。
Design News Japanでは、「787スペシャルレポート」を、7月号〜9月号の3回に分けて掲載する。7月号(今号)では、炭素繊維複合材料による軽量化などの材料技術と、ブリードエアを廃止し電動化を進めたエンジン技術の記事を掲載する。8月号では、揺れのない快適な飛行を実現する航行システムと、世界全域での開発協力に必要だった設計環境を紹介し、9月号はTom Cogan氏のインタビュー記事を予定している。
さらに詳細な情報については、米国Design NewsのWebサイト(http://www.designnews.com/Boeing)で、ボーイング社のエンジニアへのインタビューを収録したポッドキャストや、787型機の飛行映像(シミュレーションだが)など各種の動画を楽しんでいただけるだろう。ご意見、感想などは、editor-dn@reedbusiness.jpまで。