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2007年7月

MOTION CONTROL
SKF、新軸受で30%以上の効率化を達成

製造業向けエネルギー効率化サービスも立ち上げ

  軸受(ベアリング)は、自動車や工作機械などの回転運動する部分の摩擦を低減し、力やエネルギーを効率よく伝達する機構部品である。このエネルギーを効率良く使用できるという観点から、「軸受は地球環境に優しい製品」であることを軸受メーカーはアピールしているが、環境対応に厳しい北欧・スウェーデンに本拠を置くSKF社は、さらに一歩踏み込んだ施策を打ち出した。
  ISO標準品に比べて30%以上エネルギー消費を低減できる「エネルギー効率化ベアリング」を開発し、2007年10月〜12月期から生産を開始する。さらにWebベースの分析ソフトなどを使った製造業向けのエネルギー効率化サービスを立ち上げるなど、「顧客のエネルギー効率化」をテーマにした製品開発、営業展開に注力する方針だ。

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SKFのエネルギー効率化ベアリング。深溝玉軸受(左)と円すいころ軸受から市場投入する

イノベーションを主導
 今年で創業100周年を迎えるSKF社は、約20%の世界シェアを持つ軸受製品のトップメーカーだ。現在世界で高い評価を得ている日本の軸受も、ルーツをたどれば大正時代に輸入されたSKFの製品に行き着く。
 Tom Johnstone社長兼CEOは「この100年間、SKFが軸受のイノベーションを主導して来たといっても過言ではない。そして今後の100年間に向けて、顧客のエネルギー消費効率化に向けた提案など持続可能性(sustainability)につながる活動に注力して行く」と話す。
 「エネルギー効率化ベアリング」は、内部形状の最適化、新規のポリマー保持器、低摩擦グリースを採用するなどして、ISO標準品と同じ主要寸法と寿命を維持しながら、エネルギー消費を30%以上低減することに成功した。現時点では軸受市場の70%以上を占める深溝玉軸受と円すいころ軸受の2種類を製品化しており、生産開始は2007年10〜12月期を予定している。初期の適用サイズは、深溝玉軸受が産業用モーターに使う内径25mm〜80mmの小径品、円すいころ軸受は重工業や風力発電などに使う外径220mm〜600mmの製品となる。価格については「価値に見合った価格設定をして行く」(Johnstone社長兼CEO)という。

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SKFの標準品とエネルギー効率化深溝玉軸受の電力損失の比較 資料:SFK社

年間500万ドル以上のコスト削減
  SKF社は軸受の販売だけでなく、製造業を中心にコンサルティングを含めた顧客のエネルギー消費低減につながるソリューションビジネスも展開している。新たに開発したWebベースのソフトウエア「顧客エネルギー・環境分析アプリケーション(CEEA)」は、潜在するエネルギー節減の「オポチュニティー(機会)・マップ」を作成する。顧客の業務目的や業績目標に合わせて優先順位を付けて、エネルギーの節減率、回収期間、コストの3項目について表示することができる。
 すでに、米企業の工場で発電機の効率を向上して、外部からの電力購入を1日あたり12MW削減し、年間で500万ドル以上のコスト削減を実現するなどの実績を上げている。CEEAが日本語にも対応が可能なことから、日本法人の日本エスケイエフで07年中にもエネルギー効率化サービスの立ち上げを検討しているという。
(朴 尚洙)


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SKF社のJohnstone社長兼CEO

SKF社、市場を上回る成長

 新製品発表に合わせて来日したSKF社のTom Johnstone社長兼CEOに、同社の事業戦略について聞いた。

――2007年の軸受需要の見込みは。
 2006年は過去最高の業績を達成できたが、07年の1−3月期も売上高、利益とも前年同期比で伸びており好調さを維持している。北米市場は、トラックの買い替え需要が一段落したことで自動車向けが落ち込んでいるが、重工業向けの需要が拡大しており、トータルで通年で前年並となりそう。一方、欧州、アジア、中南米市場は堅調に需要を伸ばしている。当社の1−3月期の出荷量は前年比7.9%増で、これは軸受市場平均よりも高い水準にある。

――新工場の建設にも積極的です。
 この1年間で中国、インドネシア、韓国、インドで7つの工場を稼動させた。5月末には韓国・釜山で自動車用ハブベアリング工場が立ち上がったばかりだ。08年にはインドに二輪車用ベアリングの新工場を建設する。一方で北米の2工場閉鎖やフランスでの生産能力削減を行ったが、これは顧客対応や物流を基本にした「Best Cost, Best Country」を追求した結果であって、ただ「Lowest Cost」を狙っているわけではない。
――中国での事業展開は。
  中国市場の成長は著しくすでに全社売上高の約5%を占めるようになった。工場も1990年代半ばからは展開を開始し現在は10工場まで増えたが、まだ中国内向け供給で手一杯で、依然中国売上げのうち60%は輸入になっている。できれば5〜10年後には中国から輸出できるようにしたい。


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