JFEスチールは9月15日、炭酸ガス(CO2)アーク溶接プロセスで溶接時に発生する飛散物(スパッタ)を低減できる溶接技術「JFE Spray Transfer Arc(J‐STAR)Welding」を開発した。同技術は従来不可能だった微細スプレー移行を実現することで、スパッタ発生を従来の1/10以下(3.5〜0.3g/分)に低減できた。同技術を適用した溶接用ワイヤ「KC-500」は現在サンプル出荷中で、JFE溶接棒が2005年初頭より販売する。
ソリッド・ワイヤを用いたCO2アーク溶接法では、ワイヤ先端が溶融し、溶融によって生じた溶滴がワイヤ先端から溶融池に移行することで溶接金属を形成する。ただし、ワイヤ先端に懸垂した溶滴が不規則に揺れ動くため、溶融池への移行時に多量のスパッタが発生し、溶接の作業性が低下してしまう。
J‐STAR Weldingでは、正極性溶接(ワイヤをマイナス極にするCO2アーク溶接法)を採用。正極性溶接ではワイヤから電子が放出されるため、ワイヤ組成によりアーク・プラズマの状態を制御できる。しかし、従来組成では、ワイヤ先端からの電子放出が激しく変移するので、溶滴はスムーズな移行を妨げられ粗大化するという問題があった。同社は独自のアーク安定剤を添加するなどワイヤ組成を最適化し、アーク・プラズマを安定した円すい状とすることに成功。CO2アーク溶接法において最も安定した溶接とされる微細スプレー移行型溶接を実現した。
同技術により、溶接部の手直しや補修工数、付着スパッタの除去工数などが削減でき、溶接施工時の工期短縮、施工コスト削減を可能とした。