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2004年10月22日
産総研、リチウム・イオン二次電池向けの鉄系酸化物正極材料を開発
産業技術総合研究所は、共沈法と水熱法を組み合わせたナノ粒子製造法(湿式合成法)を用い、リチウム・イオン二次電池に適した特性持つリチウム―鉄―マンガン系の新しい正極材料を開発した。放電電圧は3V以上あり、高温サイクル特性において既存のリチウム・マンガン・スピネル系正極を上回る充放電容量を示す。また、現在リチウム・イオン電池で最もよく利用されてコバルト酸リチウム並みの容量(約150mAh/g)を持つことと、平均放電電圧および正極材料当たりのエネルギー密度の向上が期待できる。
産総研は、鉄イオンを活用する化学組成設計と湿式合成法を組み合わせ、一次粒子径の低減と鉄イオン乱れ低減の両者を同時に達成するため、化学組成と作製条件を最適化した。そして、得られた材料が既存の正極(コバルト酸リチウム)と同等の容量を持ち、高温サイクル特性がリチウム・マンガン・スピネルより優れている。
「これまで困難とされてきた鉄系酸化物正極のリチウム二次電池分野への実用化に道を拓き、リチウム・イオン電池の低コスト化が期待できる。さらに、資源量の豊富な正極材料は自動車などの大容量用途への適用を格段に容易にする」(産総研)
なお、産総研は「同材料には長期サイクル安定性などまだ解決すべき課題がある」としている。今後は、得られた材料に対してさらなる充放電特性の改善を図り、作製条件の簡素化による製造コストの低減を目指す。電池メーカーの協力を得て、車載用電池などへの適用の可能性についても検討を行っていく。
開発した正極材料を用いた場合の放電曲線
鉄系正極材料粉末のTEM写真
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