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2005年3月25日から「愛・地球博」(愛知万博)が開催される。開催に先立ち2005年3月18日に報道関係者に会場が公開された。
同博覧会のメインテーマは「自然の叡智」、サブテーマが「宇宙・生命と情報(Nature’s Matrix)」「人生の“わざ”と知恵(Art of Life)」「循環型社会(Development for Eco-Communities)」の3つである。会場は愛知県長久手町の長久手会場(158ha)と愛知県瀬戸市の瀬戸会場(15ha)の2カ所。建設費用は1350億円で運営費は550億円という。自然と省エネルギーが主たるテーマであるため、電子技術を含む科学技術とは縁が遠いように見えるが、リニアモーターによる鉄道技術やロボット技術、RFID採用の入場パス、風力発電や燃料電池など、最新の電子技術が利用されている。
人は長い間いろいろなロボットを夢見てきた。漫画家の故手塚治虫氏が描いた「アトム」が人型ロボットの究極とすれば、ちょっと以前まではまったくその領域に届くものは作れなかった。しかし、半導体の急速な進化や電池技術の進展、制御するための制御ソフト、駆動のためのモーター技術などの進化により、人はようやく実用となる\
この博覧会では、現在得られる最高の技術を駆使したロボットが実際にショーを演じたり、実際の業務の一部を担当したりしている。ここでは、その一部を紹介する。
圧巻の楽団ロボット
トヨタグループは、トランペットや打楽器をロボットに演奏させて行進するショー「CONCERO(コンチェロ)」を見せている(図1)。8台のロボットによる演奏だ。そのうち3台(3人?)は2足歩行型ロボットで、トランペットの演奏を担当する。残りの5台は脚の部分が1軸(?)の車輪で、実にスムースに走り回る。1台が指揮者となるDJロボット。ほかはチューバやトロンボーン、太鼓類など本格的だ。本物の吹奏楽器を人口唇と指で演奏する。指の動きを制御するのは、機械的な動きの遅れなどを加味して作動させれば、まあ何とかなるとは思うが、音を出すところは実際の気体(空気?)の制御となるため大変難しいはずだ。筆者の経験によると、流体のため空気を弁で遮断したり、放出したりするときに大きな時間差が生じ、音の切れがよくないはずである。また2足歩行のバランス制御も難しいと思う。これらの制御をうまく行った演奏とパレードは実に圧巻である。空気の供給源が何かは聞きそびれた。圧縮空気ボンベか炭酸ガスボンベなどを使っているのかもしれないし、コンプレッサを内蔵しているのかもしれない。興味がわく。
2足歩行の恐竜型ロボットやメンタルケアーロボット出現
長久手会場の「ロボットステーション」には各種のロボットがまとめて展示されている。そのひとつに恐竜型ロボットがある。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のロボットプロジェクトが開発した。ティラノサウルスをかたどった全長2mほどのもの(図2)。動きが遅いのでそんなに怖くはないが、外装も良くできているので一見する価値はある。もう一体あるらしいが見る時間がなかった。一方、アザラシ型のメンタルケアーロボットも展示(図3)。なでると首を上げて鳴く。また、同機構の支援を受けてNECが開発したチャイルドケアロボット「PaPeRo 2005」も展示されており、実際に子供たちと遊べる環境を作っている。8つのマイクを搭載し、人の声の方向を認知でき、20あまりの言葉を認識できる(図4)。もちろん、決められた言葉を選んでしゃべる。
会場内で働いている実用型ロボット
会場内で実際に働いているロボットもロボットステーションで見ることができる。会場が広いため実際に活動しているところを見るのは大変だ。三菱重工業の「接客ロボット」(図5)、綜合警備保障の「警備ロボット」(図6)、富士重工業の「ごみ搬送ロボット」(図7)と「屋外掃除ロボット」(図8)、松下電器の掃除ロボットなどが展示されている。あまりすごさは感じられないが、実際に役立つので便利なのであろう。そのほか次世代の車椅子ロボットなどがある。
会場へのアクセスは磁気浮上型リニアモーターカー
長久手会場へのアクセスに使われる交通手段は国内で始めて採用された磁気浮上型リニアモーターカー「リニモ」が主力となる(図9)。電磁石でレールから8mm浮上して走行する。最高速度は時速100kmであるが騒音発生が少ないため、周辺住民へ迷惑がかからないという。3両編成で運行される。リニアモーターカーというとスムーズに動くものと思っていたが、動きは決してスムースとはいえない。走り始めも、とまり始めも「ガタン・ガタン」というショックがある。確かに騒音は少ないが、まだ改良の余地はあると感じた。
会場にはJR東海の単独パビリオンである「JR東海 超電導リニア館」がある。リニモとは大きく異なり山梨リニア実験線で時速581kmの世界記録を達成した実際の車体(図10)の展示や、超電導の仕組み、最近開発されたビスマス系高温超電導線材を利用したコイルなどを展示。−253℃で超電導になるため液体ヘリウムを使わず冷凍冷却機がそのまま使える。また、800インチ相当のスクリーンでの偏光メガネによる立体映像により時速500kmの視覚的スピード体感が得られる。
なお、会場に見学に行かれる方は、ゲートで空港並みの持ち物検査や金属検査を受けることを覚悟しなければならない。あらかじめ金属類は身に着けず、余計な物は置いていくほうが無難である。
(渡辺 二之)
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