タキロンは、カーボンナノチューブ(CNT)を使った透明制電樹脂プレート「タキロンCNT制電シリーズ」について、ポリカーボネートとPETを原板材料とする2タイプ「ポリカーボネートCNT制電プレート」(CNPC-7610)と「ペットCNT制電プレート」(CNPET-7660)の販売を5月20日に開始した。延伸しても制電性能が損なわれず、透明性も保持される。導電性酸化スズ(ATO)を使用していないため、金属溶出の心配もない。サイズはいずれも1000mm×2000mmと1220mm×2440mmの2種類。硬質塩化ビニルを原板素材としたタイプも近日中に販売予定。販売目標は、販売初年度が5億円、次年度が10億円。
制電プレートは、静電気によるホコリやチリの付着、静電気の発生による障害を防止する樹脂板で、半導体や液晶分野の製造装置材料、クリーンルーム用パーティション材料、メカトロニクス関連の制電機能カバー材料として普及している。こうしたなか、透明で制電性のある成形加工品の要望が高くなってきた。
しかし、現在主流の制電プレートは微粒子状のATOなどの金属酸化物を制電層に使用しているため、加工して延伸するとATOの粒子間が離れて制電性が失われる。さらに、クラックが発生し外観特性が著しく損なわれる白濁現象が起きてしまう。そこで透明な制電成形品は、一般透明樹脂プレートを加工してから帯電防止材料を塗布することで製造しており、コストが高く、生産性も低いという課題があった。
タキロンのCNT制電シリーズは、同社独自の均一分散技術によりCNTを塗料化するとともに、特殊な表面処理技術を組み合わせ、高度に均一なCNTによる透明制電層を樹脂プレート表面に形成した。これにより、延伸しても導電性のCNT同士の接点が保持され、制電性能が損なわれない。さらに、制電層のクラックが抑制されるという効果も得られ、透明性を保持できる。ATOを用いていないため、超純水を利用する半導体製造ラインにおいても金属溶出の心配がない。
開発品の主な性能は、表面抵抗率が10の6乗〜8乗Ω/□、透明性は現行品と同等以上。現行品と同じく低アウトガス性を保持しており、成形倍率300%までの真空成形や熱曲げ加工など二次加工も可能。成形後の表面抵抗率も、10の7乗〜10乗Ω/□(成形倍率300%)と、静電気防除効果を保持できる。
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