セイコーエプソンは、3LCDプロジェクター向けに無機配向膜を使用した高温ポリシリコンTFT液晶パネルの新技術「クリスタルクリアファイン」を開発した。これにより、従来比4〜5倍のコントラスト(コントラスト比1万対1以上)、漆黒の黒表示、配向むらの低減を実現した。2006年度以降、高温ポリシリコンTFT液晶パネル製品に適用していく。
従来技術との違いは、液晶を挟み込むガラス基板などの表面上に形成する配向膜に無機材料を採用した点、また、液晶層の分子を配向膜面に対して垂直に並べる垂直配向技術を採用した点にある。従来は、有機配向膜をラビリングロールと呼ばれるものでこすりつけることで、液晶を物理的に配向させていた。この場合配向膜が均一になりにくいという問題があった。無機の場合、ラビリングなしで均一に配向することができるため、配向むらの低減が実現できる。また、従来のTNモードでは、電圧印加時に液晶分子が垂直に並び黒色を表示する方式をとっていたが、配向膜の直近では液晶分子が垂直に立ちきらないという問題があった。今回、垂直配向技術と電圧オフ時に光が透過しないNormallyBlackモードの組み合わせによりこの問題を解決し、漆黒の黒表示を実現した。また、コントラストは従来比4〜5倍を実現した。
データプロジェクタ、ホームシアター、プロジェクションテレビなど、3LCD方式のプロジェクター市場は今後拡大していくと予測されている。その中で、セイコーエプソンは「2003年度は約55%のシェア」(同社)と述べ、新技術により更なるシェア拡大を狙う。
(伊藤 達哉)
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