 |
UGSPLMソリューションズは27日、都内でSolid edge Conference2005を開催した。新リリースとなるSolid edgeV.17の機能説明以外に、リコーの複写機やエー・アンド・ディのコンシューマー向け健康機器などを初めとした設計事例が紹介された。
エー・アンド・ディは1977年設立の変換器、計測機器メーカー。社名の由来でもあるA-D変換技術の流れを汲む、電子銃AD-DA変換器事業に始まり、計測機器や計測制御シミュレーション事業、さらに中国では、コンシューマー向け血圧計などの医療健康機器も手がけている。同社では引っ張り試験機などの産業用機器は主に2次元CADで設計している。しかし、外観モデリングに丸みを持たせる必要のあるコンシューマー市場向け製品や、比較的意匠デザインの要素が強い製品には、3次元CADを採用している。製品により、2次元CADと3次元CADを使い分けているのだ。
同社の中国拠点は広東省深セン市。主に家庭向けの血圧計を生産している。従業員は880名おり、すでに本社の人員も超える勢いだ。中国生産の計量機器と医療健康機器にはプラスチック設計が必須で、かつ金型を使う大量生産品が主体。これらは意匠デザインが必要な製品が多いため、中国拠点で3次元CADを活用することになる。
2次元CADデータを3次元に変換
中国国内の設計メーカーで2次元データを3次元に変換すると、日数にして、1〜2日/1型で変換できる。何機種かの設計後、手首式血圧計の新設計の時にはSolid edgeで作成した3次元データを送って、中国で試作を試みた。3次元データを用いて中国で試作をする利点は、2次元に比べて、まず一番に早いこと。1週間もあれば可能だ。さらに価格は1/10で、精度はさほど変わらない。しかしやはり難点もある。中国で手作業の加工をさせるのは不可能に近い。日本人の器用さにはほど遠いからだ。しかし、3次元CADデータを使えば、安く試作できるというのが結論である。
金型打ち合わせなどでは、全方向からの立体図が必要になる。最近では、MSNメッセンジャーやSkypeなどを利用して、Web上で中国にいる設計者とリアルタイムに打ち合わせが可能になった。3次元CADに切り替えたことで、中国出張渡航費をおよそ1回分削減できたという。
そのほか、メリットとしてあげられるのは、デザイナーのデータを活用できる点、試作が早く安価にでき、金型打ち合わせもスムーズで、放電マスターの確認も不要だ。さらに修正指示が確実なことや、断面図、部品図作成についても短時間化でき、結果として大幅に設計時間を短縮できる。3次元化のデメリットは、他のCADデータはそのままでしか使えないため、外形は修正できないから、やはり外観モデリングでつまづいてしまう点にある。
したがって、いやおうにもモデリング業務の比重が増えることになる。設計者自らがモデリングを作りこまなくてはならないケースが増えるため、時間がかかるが、これをどう短縮できるか課題となる。
今後の課題として、3次元データの海外での取り扱いや、共通部品の3次元ライブラリ化、海外拠点との電子デザインのライブラリー化などもあげられるが、やはり何よりも一番大事なのは、3次元の良さを他の技術者に伝えていくことだと締めくくった。
※国内事例についてはエー・アンド・ディ佐久間氏が、中国での事例については横山氏が発表した。
(山下徳里子)
|