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2005年06月16日
単一光子を量子暗号として光スイッチ経由での配送に成功
NTTは、単一光子を量子暗号として光スイッチ経由で配送する実験を成功させた。同社と米国スタンフォード大学が共同開発した量子暗号方式に、同社が開発した光子を制御可能な光マトリクススイッチを組み合わせ、経路制御の実験などを行った。延長15kmの光ファイバーの途中に光スイッチを挿入して量子暗号を伝送した結果、エラー率6%で、約2kbpsの鍵生成速度が確認できた。「この数値は、絶対安全な鍵を作るのに十分な値」(同社)という。
量子暗号は、1個単位の光子を用いて通信を行う技術。第三者が通信経路上で盗聴した場合、光子の状態に変化が生じて、受信側が盗聴の有無を検知できるため、極めて秘匿性の高い通信が可能となる。
ただし、単一光子という微弱な信号を使うという点で、実用化にはさまざまな課題がある。例えば、通常の光伝送で使われる(単一光子に比べると)強力な信号との混在の可能性や、プレーナ光波回路(PLC)光スイッチによる経路制御の可能性などを検証しなければならない。
同社が、スタンフォード大学と共同開発した量子暗号プロトコル「差動位相シフト方式」に、光子をコントロールできる自社開発の光スイッチを組み合わせて、検証作業を行った。具体的には、インターネットなどのオープンな光ネットワーク環境において、(1)単一光子でも干渉現象が起きること、(2)多対多間で交換機能を果たす光スイッチ内部で経路を制御できること、(3)微弱な単一光子と並行して大量の強い光データ伝送が可能なことの3点を実証した。
さらに、スイッチ内部で大容量の情報伝達と量子暗号が共存できることも確認した。「同スイッチを使えば、インターネットなどの汎用商用ネットでも単一光子による量子暗号信号を伝送できる」(同社)
今後、受光器を改良し、より高速かつ遠距離の伝送が可能なようシステム高度化の検討を進めていく。また、将来的に光ファイバーネットワークで広範に量子暗号を適用し、秘匿性を高めたネットワーク環境の実現に向けた研究開発を進める。
光マトリクススイッチを経由した量子鍵配送実験
「通常の光通信」と「光子レベルの通信」の混在が可能
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