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2005年07月26日
光を巧みに操るためのソフトウエア
 
 仏OPTIS社は、オプティス アジア太平洋・コンピテンス・センターを開設した。日本およびアジア・パシフィック地域の顧客サポートを強化するのが目的である。同センターは、日本語でのユーザーのサポートや顧客のニーズに合わせた各種トレーニング、顧客の要求をフランス本社に伝える役目を担う。

 同社は、光学シミュレーション・ソフトウエアのメーカー。ソフトのアルゴリズムは物理学に基づく。光学分野や自動車産業、航空宇宙産業、防衛産業、照明産業や電化製品のようなさまざまな分野において、光システム設計の生産性向上に貢献している。主な製品は三つある。同社のメインソフトで、システム内における光のシミュレーション、解析、最適化を行う「SPEOS」、仏ダッソー・システムズ社の「CATIA V5」に統合され、CATIAユーザーがSPEOSの技術を簡単に使えるようにしたSPEOSベースの「SPEOS CAA V5 Based」、「SolidWorks」に100%統合され、SolidWorksユーザーがSPEOSの技術を簡単に使えるようにしたSPEOSベースの「OPTISWORKS」がある。

 SPEOSは、五つのアプリケーションにより構成されている。一つ目は、測光計算や光を測定することで、ある物体やシステムを通った光の経路を検討し、均一性や強度、色などの光の挙動を最適化するのに使える「Light Modeling」。二つ目は、どのような角度あるいは状態で人間の目が対象物の光を認知するのか、また、環境の影響でどのように変わるのかを計算し、スクリーンやダッシュボード、コントロールパネル上の情報の読みやすさや視認性を計算できる「Visual Ergonomics」。三つ目は、ズーム機構やカメラ、産業用ビジョンシステムなどの光学系システムの設計を行い、システムの光学的性能の最適化を行える「Optical Design」、四つ目は、材質や表面、形状に対する光の反応の仕方によって、対象物が人間の目にどのように映るのかを決定づけ、実際の製品を試作することなく、極めて現実に近いイメージを得られる「Photo-realism」。五つ目は、フロントガラスを通して物体がゆがんで見えるかなどを検証するのに使える「Windshield Analysis」。

 光学シミュレーションを使うことで、設計の段階から実際のものがどのようになるのかを目で確認できるようになる。たとえば、戦闘機のキャノピーや、携帯電話に反射する光などを表現でき、設計に活かせる。

 アルプス電気の車載電装事業部では、自動車メーカーに車載電子部品などを納入している。SPEOS CAA V5 Basedを導入したことで、開発のリードタイムを短縮したという。従来、光のムラや輝度などを調べるのに、試作してはやり直しを繰り返していたため、リードタイムが長くなっていた。しかし、同ソフトを使うことで、設計の段階から実際のもがどのようになるのかを目で確認できるようになり、リードタイムを短くすることができたという。また、システム内で複雑に反射して出てくる光のうち、ムラとなって出てくる光の原因光源を調べることができ、自動車メーカーからのヘッドライトなどの光のムラをなくしてほしいという要求に応えている。開発で培ったノウハウもナレッジデータとして蓄積できる。

 現在開催中の愛知万博のダッソー・システムズのブースでは、ブースに使用した材質やスタンドの照明の評価を行うためにOPTIS社の技術が使われたという。その成果が万博開催中、ビデオで上映されている。この他にも、ある材料メーカーのホームページでは、OPTIS社の技術を使い、材料に光を当てたときにどのように見えるのかを紹介している。材料をどのように見せたら良いかなどの検討にも使える。

 OPTIS社は、物体の表面における光の拡散の仕方を正確に表現できるBRDF(Bi-Directional Reflectance Diffusion Function)の測定を行うためにSQUALE(Surface QUALity Extractor)という測定器を開発した。この測定器によりさまざまな材質の表面の特性や正確な色を得られる。測定した光の影響をデータとして保存し、実際の材料や光の効果をCAD上で統合できる。さらに、現在開発に着手している新技術で光学的な最適化というものがあるが、CATIA V5の最適化の機能に統合される予定である。OPTIS社のソフトは、今後、CATIAやSolidWorks以外のソフトウエアにも統合されていくという。

 同センターの所在地は、東京都港区東麻布1-23-5 PMCビル2階。当初、日本テクニカルサポート室長であるドゥニ ザビエル氏と、アジアコミュニケーション 主任である野村 めぐみ氏の二人が顧客のサポートに当たる。
(大村 泰憲)

 
※写真をクリックすると拡大してご覧いただけます。
   
「SQUALE」測定器 「SQUALE」測定器

連絡先 : オプティス アジア太平洋・コンピテンス・センター
Tel:03-3589-1559  Fax:03-3586-7746
Email:japansupport@optis-world.com
     
参  考 : 仏OPTIS社(ホームページ)
ダッソー・システムズ社(ホームページ)
SolidWorks社(ホームページ)
     
関連ニュース : 2004年11月16日−サムスンがカメラ携帯電話向けに新型レンズを開発中
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