 |
三共製作所は、ステッピングモーターとカムユニットを組み合わせ、モーターを制御するような感覚で、カム装置の動作をフレキシブルに設定できる駆動ユニット「HYBRID SANDEX(ハイブリッド サンデックス)」を8月1日に発売した。
リフトと旋回動作ができるFE6H、FE8H、FE10Hと、間欠割り出しと揺動が可能なED2.8H、ED3.8H、ED4.5H、ED6H、ED7H、ED8H、ME7Hの合計10機種が新たにサンデックスのECO-seriesにラインアップされた。FE-Hの税込み価格は435,000〜519,750円、ED-H(ME7Hを含む)は262,500〜483,500円。両機種合わせて初年度300台の販売を見込む。
間欠割り出しとは、動いては止まる動作のこと。
両機種の開発において、ギアをコンパクトに納めると同時に、上下機構および回転機構も入れなくてはならず、苦労したという。さらに、能力も従来の同等かそれ以上にしなくてはならなかったのが難しかったという。
従来型では、カム形状で動作が決まってしまい、顧客の装置に載せたときに動作を調整することができなかった。また、動作によってはカムを加工できないこともあった。顧客に納める前にカムを切り、動作パターンが決まってしまうため、実際に納入先の装置へ載せたときの用途に合わせた時間的な調整ができなかった。装置に載せてみないとピック&プレースのタイミングなどわからない。このハイブリッドタイプではモーター速度制御が加わり、カム形状の制約が解消されている。たとえば、物をつかんで、置く作業などのタイミングをステッピングで自由に変更できるため、納入前に軸を振る角度だけ決めておけば、タイミングなどは実際の装置に載せた後で調整できる。
モーターのみを使った場合、オーバーシュートや残留振動などの要因で自動機のタクトタイム短縮に課題があった。ハイブリッド サンデックスでは、従来のモーターのみの製品と比べ残留振動を1/3以下にできる。モーターのみでは、動作は速いが停留が難しかった。今回、カムと組み合わせることで、この点も改良している。
オーバーシュートとは、目標速度に向かって加速、減速する時に、目標値を行きすぎてから戻って到達する現象のこと。
減速機に大口径のヘリカルギアを使って、ステップモーターとカムの間の隙間をほとんどなくし、駆動部をコンパクトにした。このヘリカルギアは入力軸に付いており、その歯は少し斜めに切ってあるため、動作時のがたをなくし、音を小さくしている。大きなギアと小さなギアを組み合わせることで、大きく減速比が取れている。インダクションモーターやプーリーなどを使ったユニットより、駆動部の容積を50〜60%小さくした。機種によって異なるが、減速比は1/15程度となっている。ステップモーターの回転数は0〜3,000rpm、本体の回転数は120rpmだが、実際1,000rpmで回転できるように設計しているという。プーリーを使わないため、ベルトが不要でゴミが出ない。クリーンルームでも使える。モーター、減速機、プーリー、ベルトなどの面倒な選定が不要。
カム機構のバックラッシがない動き、高速化が容易で、剛性が高いという利点と、モーターの動作パターンの変更が容易、単体で動作可能、PCモニターなどの拡張性という利点を組み合わせている。
カムとステップモーターを組み合わせているため、機械設計のベテランだけでなく、メカトロ、電気系の設計者にも優れたモーションコントロールを提供できる。また、セットアップソフトウエアによりパラメータの設定やデータ編集、位置、速度などのモニタリングができるようになった。
全10機種に、防錆、防塵効果に優れたクリーンルーム対応のCパッケージと、防滴、耐食性に優れ、湿度が高い場所での使用に対応させたRパッケージというオプションがある。
(大村 泰憲)
 |
|
ハイブリッド サンデックスFE-H(左)とED-H(右)
|
|