 ヒーリング機能:CADデータの微小な 誤差を自動修正する |
アンソフト・ジャパンは、電子部品の形状からS,Y,Zの寄生パラメータを抽出する高周波/高速伝送用電磁界解析ソフトウエアHFSSの最新バージョン「HFSSv10」を発売した。HFSS はUWBの電波解析、プリント基板、ICパッケージ、ケーブル、コネクタなどのEMI・EMC解析など、直流動作の以外のあらゆるものを対象に解析できる。
HFSSv10では従来のバージョンに「ヒーリング機能」を新たに追加した。従来は、移管した解析対象のCADデータに微妙な座標のずれ、あるいは誤差が存在すると、形状を誤認識してしまうか、CADデータを修正する必要があった。ヒーリング機能を追加することで、移管時に座標の許容誤差を設定することができ、CADデータ上の微妙な寸法誤差を無視することができる。例えば「1μm以下の辺を誤差」と認識するように設定しておけば、1辺が1μm以下のメッシュはすべて無視し、自動的に修正をかけることができる。
また、HFSSv10は「メッシュ簡略化機能」も追加した。従来は曲線の多い物体に対してメッシュを作成する場合、メッシュの数が多くなりすぎる傾向があった。メッシュ簡略化機能を追加したことにより、必要以上にメッシュを生成しすぎることを防いだ。
そのほか、64ビットのパソコンへの対応や、ネットワークに接続している複数のパソコンで複数の解析を一度に分散処理できるようにするなど、機能を強化した。
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| メッシュ簡略化機能 |
HFSSについて
HFSSはCADで描いた形状データから3次元有限要素法*1)をベースにFull-Wave解析するツールで、解析対象となる電気部品に電流を流した時に、どんな電磁場が発生するか、所望の動きをするか、ノイズなどの問題はないか、などをパソコン上で検証することができる。HFSSの特徴的な点とは、3次元の要素として四面体を用い、完全自動でメッシュを生成できる点である。六面体でメッシュを生成するツールと比べ「四面体の方が曲面部の精度が高い」という(同社)。また、「完全に自動で生成できるツールを持っているのは同社だけである」という。
対象物を四面体に細かく分割した後、ひとつひとつの四面体に対し、マクスウェル方程式を解いていく。アンソフト独自の技術により、「頂点」の解を求めるのではなく「辺」の解を求める方法を確立し、あらゆる形状に対して高い精度のシミュレーションを可能にし、他社との差異化を図ったという。
業界で広く使用されているACISカーネルを採用し、2次元、3次元ともに各種外部CADからのデータ移管ができる。基板系CADとの直接リンクも可能。高周波設計で用いられる代表的材料の特性に関するデータベースも用意されている。PCBのEMI解析、スパイラルインダクタのL値とQ値の解析、UWBアンテナのVSWRと指向性の解析など、幅広い解析事例を持つ。
LCRGパラメータ抽出用の解析ツール「Q3DExtractor」、BGAパッケージ、プリント基板解析を行なう「SIwave」も2005年9月からバージョンアップ品を発売している。なお、同社は2005年10月12日にアンソフト社技術セミナーを開催する。
 四面体メッシュ構造で解析 |
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