日立製作所は、有機材料がベースのアクチュエータを開発した。このアクチュエータは、炭素ナノ微粒子を混合した導電性有機材料に数V〜数10Vの電気信号を与え、ジュール熱を発生させ、材料を熱膨張させ、その伸縮変形を利用して動力を発生させる。大気中で動かせる上、軽量で柔らかく小型化も容易で、さまざまな分野に応用できる。
医療用の能動カテーテルやリハビリ機器、マイクロロボット向けアクチュエータには、小型軽量で柔らかく、駆動電圧が低く安全という条件が求められる。軽量で柔らかなアクチュエータとして、電気信号で変形する有機アクチュエータが注目されている。しかし、これまで開発された有機アクチュエータのうち、低電圧で動作するものは溶液中でしか使えなかった。また大気中で動作するものは、高電圧が必要だった。
新開発の有機アクチュエータは、大気中でも数V〜数10Vという低電圧で動作が可能。軽量で柔らかく加工も容易。通常の熱可塑性の高分子材料と同様、シート状や任意の形状に加工できる。こうした特徴から、医療機器やマイクロロボットなどのほか、将来は人工筋肉などにも応用できると見込でいる。
同社は、比重0.8の導電性有機材料を用いた有機アクチュエータを評価したところ、大気中にて数10Vの駆動電圧で最大伸縮率約4%、発生応力約5MPaの動作を確認している。これは、断面積1平方mm当たり約500gのものを持ち上げる力に相当する。
同社は、9月20日〜22日に山形大学で開催された第54回高分子討論会で、この有機アクチュエータの発表を行った。
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