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2005年10月18日
型材にもなる850℃でも熱膨張のない高安定性ガラスセラミック
 
 ドイツの特殊ガラスメーカー、Schott社は850℃と非常に高い耐熱特性を持ち複合材料の形成が可能な、ガラスセラミック「ゼロデュアK20」の販売を開始した。精密機械、光学部品などへの加工だけでなく、高温成形用の型材としても利用できる硬度を持つ。

 ゼロデュアK20は、{(20℃/700℃)k=20×10-7K-1}の低熱膨張率を実現。そのため、これまでとは異なる新規分野への応用が考えられる。インパーメタル合金との組み合わせが容易なため、耐熱特性を持つ複合材料を容易に形成できるようになる。また、高い放射輝度率を有し、レーザーシステムのフラッシュライトのリフレクターなどへも適用できるという。

 半透明のゼロデュアを熱変換により、ガラスセラミック中の結晶の体積分率は、約70%から90%以上まで増加し、高温型石英硝子からキータイト結晶構造へと変質させている。20〜700℃条件下での熱膨張係数が2.0×10-6K-1、室温では1.5×10-6K-1となる。

 ゼロデュアK20は、同社がこれまで30年以上培ってきた熱膨張係数ゼロのガラスセラミック素材「ゼロデュア」の高い熱処理技術がベース。ゼロデュアは熱膨張による伸び縮みをしないため、リソグラフィ機器の光学素子、高精度機械部品や大規模天体望遠鏡のミラー基板など、温度変化を避けられないが、正確なサイズや距離を必要とする部位に広く用いられている。

 その製造には、現代のガラス製造技術の一般的な製法が用いられている。無機質の無孔性ガラスセラミックで、残留ガラス相内部にナノ結晶が均一に分布しているのが特長。まったく方向性のない構造で、表面には気孔がない。結晶相とガラス相は光学硝子に似た化学的特性と強度を保有しており、光学ガラスの加工と同じ機械や工具を用いて切断、研削、研磨などの加工ができる。

 ゼロデュアのヘリウム浸透性が少ない特長を活かした具体的な製品応用例として、レーザージャイロスコープがある。航空機、ヘリコプターなど移動機関のナビゲーションで角度を測定する技術に同材料のサグナック効果*1)を利用する。20℃時のヘリウム透過率は1.6×106、100℃時5.0×107、200℃時7.2×108となる。
(山下徳里子)


人物左が結晶化前のガラスセラミック、
右が結晶化後の「ゼロデュアK20」
  
注  釈 : *1)【サグナック効果(Sagnac Effect)】
光の干渉縞が、角速度によって移動する現象のこと
   
連 絡 先 : ショット日本、TEL:03-5366-2491
   
参  考 : ショット日本(ホームページ)
   
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