RoHS指令はEU各国の協議の場であるTACにて制定され、2006年7月1日に発令する。日本では、これが延期されるという希望のこもったうわさがあったが、同氏はこれをぴしゃりと否定した。
制定の最たる目的は、廃棄、埋め立て後に、地質などの汚染につながる環境負荷を低減することだ。リサイクル/リユースを目的としたWEEEはすでに2005年8月に発令されている。RoHS指令はEU市場へ上市する(put on the market)、電気、電子機器の8つのカテゴリ*2)に適応され、環境負荷物質である重金属4種(鉛、水銀、六価クロム、カドミウム)と、臭素系難燃材2種(PBB:ポリ臭化ビフェニル、PBDE:ポリ臭化ジフェニルエーテル)の合計6つの物質の最大許容量を規制する。Andrews氏によれば、この規制物質が増えることはないという。
最大許容量は均質材料あたりの質量比で決まる。カドミウムは0.01%で、カドミウムを除く5つの物質は0.1%となっている。カテゴリによっては最大許容量が緩和されるといううわさがあったが、この許容量も変わらないという。
ただし、2006年7月1日以前に上市した機器の再利用や、修理、アップグレード用の部品は除外されるのに加え、医療用機器や監視及び制御機器の分野も除外される。
RoHS指令は1997年から検討が開始され、2003年に発令がアナウンスされた。それから2年半たった今でも誤ったうわさや認識不足が多い。セミナーの質疑応答において、うわさ話の真偽や言葉の定義を確認する質問が出るなど、その傾向が如実に現れた。
例えば上市(Put in the market)という言葉の定義については、様々なセミナーと同様、今回も噴出した。何を持って上市とするか、という質問には「上市は所有権が移った時に成立する」(同)と述べた。では、欧州域外から欧州の日本企業の販売店に輸入する際にはどうなるか。基本的に、欧州域外からの輸入の際には通関時に上市となるという。欧州に工場がある場合は、工場から製品が出荷されて販売店や代理店の手に渡った時点で上市となる。
RoHS指令に罰則はなく、実際の運用は各国に任されている。英国の場合は、誤ってRoHS未対応の製品が出荷されてもすぐには訴訟につながらない。何段階かの手順を踏み、改善指導を受ける。改善が全く認められない場合には、訴訟される可能性もある。
RoHS発令の2006年7月まで、あと7ヶ月である。
(川村 祥子)
注 釈 :
*1)【RoHS】 The Restriction of Hazardous Substances
*2)【カテゴリ】
WEEEのカテゴリを元に作成された。大型家庭用電気製品、小型家庭用電気製品、IT及び遠隔通信機器、民生用機器、照明装置、電動工具、おもちゃ、自動販売機