 |
東芝は、MEMSによる微小な振動でナノサイズの微粒子を細胞内に導入する操作技術を開発した。多数の細胞を同時に扱うことが可能で、医科学分析ツールとしての応用や、特定の細胞に作用を及ぼす手法への応用が期待される。
開発した技術は、MEMSの振動で溶液中の微粒子を細胞表面に吸着するよう促し、さらに細胞表面上の微粒子に振動を与え続けて導入させる。導入原理ついて、同社は「細胞表面に止まった状態の微粒子に振動を与えると、振動が熱エネルギーに変換されて細胞表面に物理的な作用を及ぼすため」と説明する。
同社は半導体向け微細加工技術を適用し、撥水処理した約20μm角のMEMS振動台を格子状に多数配置した装置(微粒子マニピュレータ)を作製した。酵母菌とシリカ(ガラス)の微粒子を内包した微量な液滴を用い、この装置を使うことで導入原理を実証できた。同社では、「レーザー光などで細胞に物理的作用を及ぼす従来手法と比べ、多数の細胞を同時に扱える」としている。同操作技術の原理の図解やMEMSデバイスの構造、酵母菌とシリカ微粒子の写真については、以下のPDFを参照。 http://www.toshiba.co.jp/about/press/2005_12/j0702/MEMS_sankou.pdf
今後同社は、各種ナノ素材とMEMSにより励起される物理的エネルギーのさまざまな組み合わせを検証し、化学的手法を使わず特定の細胞に選択的作用を及ぼす新手法としての活用を検討していく。
|