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神戸製鋼所は、鉄鋼製品の製造過程で生じる副産物から電波吸収シートを開発することに成功した。価格は現在市販されている電波吸収体の半額程度と安く、経時劣化が無いという特徴を持つ。電波の振動方向にかかわらず電波を吸収できる等方性能も備えている。開発には、青山学院大学理工学部の橋本氏のグループが協力した。
現在一般的な電波吸収体は、電波吸収特性のあるカーボン、フェライト粉末、各種合金粉末などをゴムに練り込み、シート状に成形してある。原料粉末そのものが高価であるため、製品の価格も高くなってしまう。屋外での長期使用にともなって粉末が酸化、吸湿することで、電波の吸収性能が低下する問題もあった。また、従来の連続成形は生産性が高く比較的安価ではあるが、入射電波の振動方向によって電波の吸収性能にばらつきが生ずる。
新開発の電波吸収体は、鉄鋼製品の製造過程で副次的に発生する酸化膜を原料として利用する。特定の線材製品から、細かくかつ電波の吸収に適した厚さ5μm〜20μm、大きさ数10μm〜100μmの扁平形状の酸化鉄粉末を回収してゴムに練り込み、厚さ2mm程度のシート状に連続製造していく。吸収したい電波の周波数帯や吸収量は、酸化鉄粉末の充填率やシートの厚みなどで調節できる。
原料が副産物であることから、安価に入手可能である。製造時に酸化した状態であることから、屋外で長期使用しても性能は低下しない。粒子形状が扁平形状であることと、ゴムシートの表面と平行になるよう粉末粒子の扁平面を合わせてあらゆる向きに並べることで、薄肉化と等方性能を両立させた。
同社では、ゴムシート型以外に、セメント中に酸化鉄粉末を分散させた不燃型の電波吸収体、円柱表面に被覆しそれを並べてフェンス状に構成した被覆棒列型電波吸収体など、特殊用途向け電波吸収体の開発も実施している。
今後は、高性能化に向け引き続き研究開発を青山学院大学と進める。同時に、グループ会社の神鋼建材工業が製造と販売を担当し、有料道路や駐車場などのほか、今後普及が予想される自動料金収受(ETC)システム、専用狭域通信(DSRC)利用サービス関連での採用を目指す。
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