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産業技術総合研究所(産総研)と三井造船は、有機ヒ素で汚染された土壌から有機ヒ素を高効率で抽出除去する技術を共同開発した。低濃度のリン酸とアルコールからなる洗浄剤を用いることで、土壌中の有機ヒ素をほぼ100%抽出除去できた。土壌浄化に使用した洗浄剤は、リサイクルして使用できる。有機ヒ素は濃縮して小容量で回収できるため、浄化処理のコスト低減も可能となる。
有機ヒ素化合物は、毒性が強く、地下水中に溶出しやすいため、土壌に吸着されて長期間環境中に残留する。しかも、微生物には分解されずに、加熱や化学分解を施しても有毒な無機ヒ素化合物が土壌中に残留してしまう。これまでのように固型化および不溶化、飛散防止、封じ込めなどの対策では、こうした問題を抜本的に解決できない。そのため、化学的洗浄法(抽出法)が有効であると考えられていた。
産総研と三井造船は、人為的に汚染した模擬汚染土壌と、実際の汚染現場から採取された土壌試料を用い、土壌による有機ヒ素の捕捉メカニズムを解明した。さらに、洗浄法による土壌浄化技術を開発するため、無機系、有機系などの洗浄剤による有機ヒ素抽出効果を比較検討した。その結果、メタノールなどのアルコールにリン酸を3〜5%混合した洗浄剤を使用したところ、抽出効果が極めて高く、洗浄剤として優れていることを見出した。
この洗浄剤を使用すると、ヒ素に換算して3570mg/kgの有機ヒ素汚染土壌から、ほぼ100%の有機ヒ素を除去することができた。使用済み洗浄剤からは、アルコールを回収して再利用できる。抽出除去された有機ヒ素は小容量のリン酸中に濃縮された形で回収できるため、有害廃棄物の発生量を大幅に減らせる。
本技術によっても極微量のヒ素が土壌中に残ることから、今後は、浄化処理後の土壌中に残留する微量の有機ヒ素が溶出することを抑制する方法と、汚染現場の状況に適合したシステム化を検討する。
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