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DNニュース

2006年06月12日

中国版RoHS指令、有害物質の規制基準値の公表は7〜8月

講演する蒋主任

中国版RoHS指令で規則化される
ラベル表示の例

 中国版RoHS指令の対象製品に含まれる有害物質の規制基準値および対象製品に付けるラベル表示基準の概要が早ければ7〜8月にも公表される見通しだ。同規則の策定作業に直接関わっている中国信息産業部電信研究院中国泰爾実験室の蒋京キン(Jiang Jingxin)主任が9日、都内で開催された「日中環境戦略とエコデザインワークショップ」(NPOエコデザイン推進機構、協賛:東京大学工学系研究科無錫代表所)で明らかにした。

 蒋主任は、07年3月1日から中国で施行される「電子信息産品汚染防治管理弁法」(中国版RoHS指令)と、今年7月1日から施行の欧州RoHS指令の違いを浮き彫りにした。

 第一は対象製品の範囲。中国では中国版RoHS指令を起草した信息産業部のほかにも、国家環境保護総局が「電子廃棄物環境汚染防治管理弁法」を、また国家発展改革委員会が「廃旧家電及電子産品回収処理管理条例」をそれぞれ策定作業中の段階で、これら3法の運用が今後中国電子産業分野での環境対策行政の要となる。このため、中国版RoHSの対象範囲は、信息産業部管轄内の製品にとどまり「欧州RoHS指令よりも狭い」(蒋主任)。具体的にはコンピュータ、携帯電話など情報通信機器、テレビなど家電などだが、他方、欧州RoHSでは直接対象とならない電子部品、材料を適用対象に含んでいる。

 例えば、日本企業が3月1日以後中国の生産拠点に製造設備を持ち込む場合、コンピュータや電子測定機器など電子情報製品は有害物質規制の適用範囲内となるが、SMTはんだ付け装置は対象外となる。

 第二に規制対象となる特定有害物質(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB、PBDE)は欧州と同一ながら、それらの名称と含有量、リサイクル可能性を示す中国独自デザインのラベル表示の規定は欧州RoHSに見られない特徴のひとつ。

 中国では有害物質含有量の規制値基準を定めるに当たり、電子情報機器を3種類に分類。そのカテゴリ(EIP-A,B,C)それぞれに規制値を設定する。ラベル表示するマーキング基準の策定は、これら3分類の規制値の策定と連動して進行したが、いずれも信息産業部内での起草作業をほぼ完了している。両基準とも早ければ7〜8月にも情報開示される見通しだ。

 欧州RoHS指令は有害物質を含む製品の使用を制限しようとするのに対し「中国は使用を制限するわけではない。有害物質が含まれる場合はラベルを付けろと言っている」(蒋主任)。同主任によれば、中国版RoHSの目的も欧州同様、有害物質の使用制限にあるが、手法として中国の場合は2段階に分かれる。第1段階は3月1日以降、有害物質の含有量を超えるものをラベルで表示させる形で管理する。ただしその販売自体には制限を設けない。また電子情報製品に含まれる有害物質の含有量が、基準値以下であり安全とみなされる場合も、それを明示したラベルを付けることになる。蒋主任は「マーキングの運用は中国版RoHSが成果を挙げるかどうかの指標となる」とこれを重視。第2段階は厳しく規制するものだけを重点規制対象としてリストアップし「重点規制リストに含まれる対象製品は、規制値制限を満たしていなければならない、という扱いになる」という。

 欧州RoHS指令では除外規定があり、適用範囲内で、例えば鉛フリー化できず代替が困難と判断される部品について検討し「適用除外枠」を設けている。これに対し中国版RoHSでは「政府当局としても、産業界にとって規則遵守が全く不可能な製品は重点規制リストに入れて強制したりしない」というアプローチをとる。強制的な規制力を持つ重点規制リストは「科学的裏付けをとり、各方面の意見を聞きながら情報開示する方法でリスト化する方針」だが、「現在はリスト化の方法論を議論している段階でまだリストそのものはできていない」(蒋主任)。またいつごろ公開されるかのスケジュールも未定だ。

 検査基準に関してはIEC TC111/標準WG3制定のIEC62321標準に沿う方法を選択する。また分析基準に関しては、中国の分析原則が国際標準として採用されることを期待してIEC TC111に提案済みだ。

 他方、中国における企業側の準備状況については、深セン、蘇州、杭州、北京、上海などで数度にわたるフォーラム、会合を通じて新規制に関する認知度の向上を図ってきた。加えて、台湾、香港でも情宣活動を展開してきた。5月16〜17日には天津で信息産業部の全国会議を開催し、王旭東部長以下、7つの関連部門長が参加して、環境対策に関する決定を確認した。電子情報機器製造に関わる中国内の多くの企業が分析細則の策定などに参画しており、業界基準作りにはすでにモトローラ、ノキア、エリクソンなど80を超える企業が共同している。今後中国は、重点規制リストの策定、鉛フリー製品の信頼性評価をはじめ有害物質に替わる代替物質の研究やグリーンサプライチェーンの構築など多くの課題を抱えており、蒋主任は「日本企業も積極的に策定作業に加わってもらいたい」と呼びかけた。


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