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DNニュース

2006年06月12日

松下電器、部材28万点、3万5千機種のRoHS指令対策を完了

 松下電器産業は、全世界に展開する約300の事業拠点で、7月1日から欧州で施行されるRoHS指令への対応を完了した。全グループ的規模で化学物質管理体制を構築し、05年10月までに有害物質を含む部材28万点、3万5千機種の課題抽出と代替化を遂行した。このほど東京都内で開催された社団法人表面技術協会のセミナーで、同社品質本部製品安全統括センター、ライフエンド製品安全センター金属材料チームの長沼仁チームリーダーが『環境負荷物質低減の取り組みとめっき材料への期待』と題して、同社の環境対策規制への対応を語るなかで明らかにした。

 EUのRoHS指令は、電気・電子機器における危険物質の法規定を整備し、生産から処分に至る全ての段階で環境や人の健康に及ぼす危険を最小化することを目的として、鉛、水銀、六価クロム、2種の臭素系難燃剤(PBB、PBDE)およびカドミウムの6つの有害物質についてそれぞれ、均一物質の中の含有量の最大許容濃度を規定している。

 均一物資(homogeneous)は、英国のガイダンスに従えば、機械的に別々の材料に分離できない材料を意味する。プラスチック成形材料、端子に施されるめっきコーティング、接合部のはんだ、セラミック材、塗装コーティングなどがそれぞれ均質材料に該当する。同社では、この規制にどのような解釈が及んでもクリアするよう、周到な取り組みを続けてきた。

 RoHS指令のほか欧州のELV(廃自動車)指令(03年7月1日以降開始)、欧州76/769/EEC(危険な物質および調剤の上市と使用の制限に関する理事会指令)、中国の電子情報製品汚染防止管理弁法(中国版RoHS指令、07年3月実施)、米カリフォルニア州における映像ディスプレイ製品を対象とする有害物質規制のリサイクル法(07年1月1日実施)、日本の法規制(J-MOSS:資源有効利用促進法の改正、06年7月1日施行)など各地域市場での環境規制は目白押しの状況だ。

 同社はこのような諸規制を加味し、各国法で使用禁止が定められている有害物質を化学物質管理ランク指針(製品版:Ver3.1以降)で規定し、RoHS指令対象物資を含む13物質を禁止している。(表1参照)

 松下グループは環境対策における禁止物質不使用の保証体制として、設計段階で使わない、資材調達段階で入れない、生産・出荷段階で混ぜない、を3つの基本として確立。その中でも特に資材調達を重視し、不使用保証書、自社分析、サプライヤ監査、の3本柱を用件として念入りに取り組んできた。

 自社分析に関しては、グローバル約300事業場内で、分析体制を2年間かけて構築した。全事業場に19億円を投資して、蛍光X線分析装置360台を導入。検査人員2,000人を対象に、受け入れスクリーニングのトレーニングを実施した。同装置で検査できない六価クロムに関しては、自社で六価クロム簡易分析法とその装置を開発して事業場での活用を開始した。また、従来の蛍光X線分析のスピードアップを図り、独自に高速・高精度有害物質測定システムのソフトウエアを開発して、運用では最大20倍高速化している。

 これに加え、自社内で分析できないPBB、PBDEなどの物質を分析するために、スイスSGS社、英ITS社と松下電器本社で包括契約を結び、グローバルで分析を委託している。

 一方、恒久的な取り組みとして、サプライヤ自らが松下グループに供給する部品・部材の中に何が含まれているか(化学物質、素材情報)を把握し、登録するための製品化学物質管理システム(GP-Web)を松下独自で開発。システムは約300の全事業場に取り入れて、事業場それぞれのサプライヤと結び、膨大なサプライヤの入力データを本社データベースに取り込んで環境適合性を評価するという一連のプロセスを一元管理している。グローバルに資材調達先の理解協力体制を浸透させることを目的に、説明会を開催。本社実施分だけで10回の説明会を、2,400社を対象に実施した。

 これらにより、松下グループではすでにRoHS指令関係に関する取り組みは完了したと認識している。2005年3月時点で、RoHS指令に関連するほとんどのカバー領域について、確認を終えた。具体的には、部品・材料調達の取引先約1万1千社から、有害物質不使用保証書の回収を完了した。これと平行して、サプライヤの監査を実施し、05年3月までに6,000社、同10月までに7,300社の監査を完了した。

 また対象部材は全社的には132万点に上るが、これらすべてについて禁止物質含有調査を完了した。132万点の部材中、有害物質を含むものは28万点あり、05年3月時点で24万点、同年10月時点で全28万点の部材代替化を完了。これとともに、これら部材を用いた製品の代替化を推進し、05年3月時点で、2万5千機種、同10月時点で3万5千機種を代替し、有害物質不使用化を完了した。

表1:松下電器の化学物質管理ランク指針(製品版:Ver3.1)
禁止物質(対象13物質群)
1)  PCB, PCTおよびその代用品類
2)  アスベスト類
3)  特定有機スズ化合物
4)  短鎖型塩化パラフィン(C10-13)
5)  特定臭素系難燃剤(PBB, PBDE)※
6)  特定アミンを形成するアゾ染料、顔料
7)  ポリ塩化ナフタレン
8)  カドミウムおよびその化合物※
9)  鉛およびその化合物※
10)  六価クロム化合物※
11)  水銀およびその化合物※
12)  オゾン層破壊物質
13)  ホルムアルデヒド(木工製品に限定)
   ※:RoHS対象物質


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