DNニュース
2006年06月22日
SCHOTT社のVision2010戦略、ソーラーを含む5事業強化
【 SCHOTT Media Event 速報 】独SCHOTT社は、Mainz(マインツ)にある本社で、プレス向けに同社の戦略Vision 2010について概要を発表した。
「利益を考えているだけでは、企業としての存在価値は評価されない。人々の生活向上を最大の理念に掲げ、当社の社員の生活や質の向上、環境に関する規制への対応により、これを具現していく」と広報ディレクタのKlaus Hofmann氏は語る。
同社は2年前に自社事業を分析した結果、立地場所が多く、多分野の製品があるが、その割には利益が上がっていないということがわかったという。そして、利益率の低い事業から手を引き、コア領域に集中することにした。その結果、5つのハイテク領域に集中することになった。ホームテック、オプティクス、エレクトロニクス、医療関係、ソーラーである。
中でもソーラーは特に同社にとって戦略的に重要となっている。この部門は二つの柱からなる。ひとつは太陽光発電システム、もうひとつは太陽熱システムである。同社が太陽光発電システムに参入したのは3年前から。900人の従業員が同分野に携わっている。ドイツでは再生エネルギーに対する法律が可決されたため、ソーラー技術が広まっている。太陽熱システムはシャワーのお湯や、暖房用の熱などを作り出すのに使われている。冷房にも使えるという。
同社は、世界的な企業としての方向性を新たに位置づけしようとしている。「ドイツの伝統を持ち、ドイツにある企業として発展するのはもちろん、さらに世界的なプレーヤーとして発展していこうとしている。ドイツを基盤にして、世界的な発展を目指している」(同氏)。現在、同社全社員17,200人のうち7,400人がドイツ国内で働いている。本社には高度な研修を受けた3,000人を配置。また同社は事業を国際的に拡大展開し、36カ国に製造会社および販売会社を持っている。
労働賃金や福利厚生コストが高いことや、労働に関する法律が厳しいことなどから、ドイツの産業立地は不利という不評を受けているが、同社の成長はドイツでも産業が発展できることを実証している。
本社はドイツ全体のコンピテンスセンターとして位置づけられる。「ドイツ本社は今後も研究開発センターとして機能する。産業的、工業的にかなり複雑な製品も本社で生産する」(同氏)。研究開発は本社が中心となり、特にガラス材料の先端的研究を進めている。同社は2002年から2003年の会計年度で、売り上げの約6%(1億1,300万ユーロ)を研究開発に投じた。ガラスの研究センターでは250人、全世界で約850人が研究開発に従事している。さらに、約150の大学などを含めたドイツ内外の研究機関とネットワークを組み、研究開発を進めている。
2003年〜2004年における全世界での売上高は20億2,000万ユーロで、そのうちの約78%がドイツ以外の売り上げだった。「78%という数字からも、ドイツ以外の市場がいかに重要かがわかる」(同氏)。全体の売り上げの53%がヨーロッパ、25%が北米、3%が南アメリカから、17%がアジアから来ている。税引き前のキャッシュフローは3億600万ユーロだった。2005年度の設備投資は2億3,000万ユーロである。
同社が注目している市場はアジアだ。「世界的にみてアジアは発展する地域と見ている。特に、中国とインドは成長の度合いが高い。中国は現在GPDが世界第7位で、数年で米国やドイツを追い越すだろう」(同氏)。こうしたことから、同社は2010年までにアジアの売り上げを30%にしようとしている。同社の9つある事業部門のうち3つがアジアを中心に展開されている。にもかかわらず、地域の従業員数の割合は、ヨーロッパが70%、北米が21%あるのに対し、アジアは9%にとどまる。「アジア地域では利益率が高いため、これからも工場を増大させる計画である。今後、さらにアジアに生産、製造拠点を置き、ヨーロッパでは研究開発のエキスパートたちが活躍するようになるだろう」(同氏)。
(大村 泰憲)
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