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DNニュース

2006年06月30日

プラズモン共鳴効果で室温環境下のテラヘルツ帯電磁波放射に成功

 東北大学と北海道大学量子集積エレクトロニクス研究センターは、プラズモン共鳴効果を利用した新原理の半導体デバイスを用い、室温環境でテラヘルツ帯電磁波の放射に成功した。このデバイスを利用すると、これまでデスクトップサイズだったテラヘルツ光源をマイクロチップサイズに小型化し、チップ内部で複雑な信号処理をこなすことまで可能となる。

 テラヘルツ帯の電磁波は、物質同定や生体計測などの領域で利用されつつある。しかし従来のテラヘルツ光源は、いずれもデスクトップサイズの装置となっていた。

 東北大学らは、化合物半導体によるナノ加工プロセス技術を利用し、2次元プラズモンの共鳴効果という新しい動作原理による集積型テラヘルツ光源デバイスを試作した。このデバイスは、赤外線レーザーを照射してプラズモンを励起させると、レーザー光に含まれるテラヘルツ帯の周波数成分に同調した電磁波を室温環境下で放射する。

 2次元プラズモンの共鳴効果自体は自明の物理現象だが、あくまで極低温下で観測されるものであり、熱による散乱のために室温での有効利用には至っていなかった。

 今回の室温動作成功の決め手について、東北大学は、2重回折格子型ゲートと呼ばれる櫛状になった特殊なゲート電極構造と、素子表面の活性層と素子裏面の透明金属電極膜とで形成された縦型共振器構造を挙げた。「特殊なゲート電極構造は、プラズモンの励振からテラヘルツ電磁波放射に至る一連の量子効率の大幅な改善に寄与し、縦型共振器構造は、レーザー共振器と類似の利得増強作用をもたらす」(東北大学)

 この研究成果により、東北大学では「テラヘルツ帯を信号処理の中枢として活用することが可能になり、光通信と無線通信の完全なリンクをたった1個のマイクロチップで実現することも夢ではなくなる」としている。


試作した素子(左:電子顕微鏡写真、右:断面構造図)


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