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DNニュース

2006年07月27日

産総研など、南極氷中のエアハイドレート結晶を3次元可視化できる非破壊検査技術

 産業技術総合研究所(産総研)、日立製作所、筑波大学、高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、南極の氷に閉じ込められた空気が氷とともに結晶化してできたエアハイドレート結晶を非破壊かつ3次元的に可視化する技術を共同開発した。位相コントラストX線CT装置に新開発の低温試料用容器を組み込むことで、空間分解能50μmという精度のエアハイドレート結晶非破壊検査が可能になった。装置の開発には、北海道大学と国立極地研究所(極地研)も協力した。

 南極と北極では降り積もった雪は溶けずに大気とともに堆積し、積雪層の重さによる圧密によって大気が氷の中に気泡として取り込まれる。気泡の位置が雪面から相対的に低くなり、約50気圧を超える深さに達すると、氷と空気が反応してエアハイドレート結晶に変化する。エアハイドレートには過去数十万年の大気が保存されているため、地球が経験した気候および環境の変動を読み取る指標として注目されている。

 しかし、エアハイドレート結晶粒子とまわりの氷との密度差は非常に小さい。そのため、これまで非破壊検査に用いられていたレントゲン写真やX線CT法では、エアハイドレートと氷の区別ができなかった。

 産総研らは特別な低温試料容器を開発し、−80℃から室温までの条件下で位相コントラストX線CT測定を実施可能とした。X線干渉計を用いる位相コントラストX線CT法は、従来のX線CT法より約1,000倍高い密度分解能でサンプルの非破壊3次元観察が行える。この観測法を応用し、氷中のエアハイドレートを低温下で観察する手法を開発した。

 開発した装置は、直径15mm、高さ約20mmまでの試料の観察が可能で、空間分解能は50μmとなる。氷中のエアハイドレートを可視化できるだけでなく、数mg/立法cmオーダーの密度分解能で氷とエアハイドレート結晶粒子の識別が行える。

 現在のところ、1回の測定に30分程度の時間がかかる。今後は、測定時間の短縮を図ることで、分析解析ツールとしての高効率化を目指す。

氷中のエアハイドレート粒
(青い粒がエアハイドレート結晶)
低温型の位相コントラストX線CT測定手法の概念図
        左:低温試料容器の冷却容器本体と液体容器、右:測定時の構成図
  
 

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