DNニュース
2006年07月28日
NECと松下が携帯電話開発の新会社設立に合意、
併せてTIを交えた新会社も
NECと松下電器産業、パナソニック モバイルコミュニケーションズ(以下、パナソニックモバイル)は、携帯電話端末の共通プラットフォーム開発、ならびに同プラットフォームを用いた商品開発を受託する合弁会社を設立すると発表した。両社の携帯電話端末を構成するミドルウエア、アプリケーションソフトウエア、ハードウエアを共通化することで、開発投資効率の向上、開発力/コスト力の強化を図ることを目的とする。新会社(社名は未定)は、2006年10月上旬をめどに設立される予定である。出資金額は1億円で、出資比率はNECが50%、パナソニックモバイルが50%。
ターゲットはアプリケーションレイヤー
新会社がターゲットとしているのは、主に、携帯電話端末のアプリケーションレイヤーである。NECと松下は、2001年に携帯電話開発に関する協業を開始し、2004年にはNTTドコモ、NEC、パナソニックモバイルの3社で開発したLinuxベースのミドルウエアプラットフォームをFOMA端末に搭載するなどの成果を上げていた。今回の新会社の設立は、こうした動きをさらに加速させるものだ。
新会社の具体的な事業内容は、共通ソフトウエアプラットフォームの開発、共通ハードウエアプラットフォームの開発、そしてこれらの共通プラットフォームを用いた商品開発の3つである。各携帯電話端末メーカーが等しく実現しなければならない機能を共通化/共同開発することで、開発効率の向上を目指す。ただし、NECとパナソニックモバイルは、引き続き「NEC」、「Panasonic」のブランドを使用し、自社ブランド端末の商品企画、開発、資材調達、販売、製造は、それぞれ個別に行う。共通化によって節約できた開発リソースを、自社端末の個性化、差別化のために投入し、両社は「競争と協調の関係」を築いていくという(図1)。
新会社では、ミドルウエア、アプリケーションソフトウエアの共通化に加え、それらの稼働環境となるLSIの共通化にも取り組む。NEC、松下は、LSIを含む共通プラットフォームとしてそれぞれ「platformOViA(プラットフォームオーヴィア)」、「UniPhier(ユニフィエ)」を有すが、2008年目標で、これらを統合したLSIを開発する予定だという。
TIも交え、3.5G/3.9G通信技術でグローバル展開
NEC、松下電器産業、パナソニックモバイルの3社は、NECエレクトロニクス、米Texas Instruments社を加えた5社で、第3世代以降(3.5G/3.9G)の携帯電話をターゲットとした合弁会社「アドコアテック」の設立にも合意した。上述したように、3社で設立する新会社がアプリケーションレイヤーをターゲットとしたものであるのに対し、アドコアテックでは通信機能の部分にフォーカスする。具体的には、W-CDMAの標準化団体3GPP3でLong Term Evolution4として検討されている3.9Gも視野に入れつつ、まずは3.5Gの通信機能を実現する通信プラットフォーム(ハードウエア/ソフトウエア)の開発を行う。
アドコアテックの設立目的の1つは、開発した通信プラットフォームを国内外で広く販売することである。特に、海外での事業展開に注力するかまえだ。3Gの通信技術を確立済みのNEC/松下に、2.5Gを含むGSM市場で大きな実績を持つTIが加わることで、通信プラットフォーム市場の海外シェア20%を目指すという。
アドコアテックの事業(図2)は、基本的にライセンス形態で行われる。NEC、松下、その他のメーカーとの関係は、以下のようなものとなる。
- アドコアテックに対し、設立5社は資金/開発リソースを提供するとともに、2.5G/3G以降の通信技術をライセンスする。これを基に、アドコアテックは3G以降の通信プラットフォームを開発する。
- アドコアテックは、2.5G/3G以降の通信回路設計情報をNECエレクトロニクス、松下(半導体社)、TIにライセンスする。NECとパナソニックモバイルは、これを基に生産されたLSIを自社の携帯電話端末に搭載する。
- NECエレクトロニクス、松下、TIは、国内外携帯電話端末メーカーに上記LSIを販売する。
- アドコアテックは、上記LSIを搭載する携帯電話の商品化に必要なソフトウエアを含む通信プラットフォーム、システム評価サービス、カスタマイズサービスなどを携帯電話メーカーにライセンスする。
なお、アドコアテックへの出資金額は120億円で、出資比率はNEC/NECエレクトロニクスと松下/パナソニックモバイルがそれぞれ約44%、TIが約12%となっている。
(飴本 健)
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| 図1 新会社とNEC/松下の関係 |
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図2 アドコアテックの事業概要 |
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