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DNニュース

2006年08月14日

古河電工、イットリウム系高温超電導ケーブルで世界最小の交流損失を達成

イットリウム系3相電力ケーブル

 古河電気工業は、既存の電力ケーブルの約9%という世界最小の交流電力損失を、試作したイットリウム系高温超電導ケーブルで達成した。液体窒素温度(−196℃)で超電導状態になる高温超電導ケーブルは、大容量の電力を低損失で送電できるため、既設の地下ケーブルトンネルを利用して送電容量を低コストで拡大でき、CO2の低減にも貢献する技術として期待されている。今回の開発では、実用化されているビスマス系超電導ケーブルと比べ、液体窒素冷却システムのコストを低減でき、全コストを考慮しても既設のCVケーブルと比べて送電損失を50%以下に抑える目途をつけた。
 この研究成果は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から国際超電導産業技術研究センター・超電導工学研究所が受託した「超電導応用基盤技術研究開発プロジェクト」で実現され、中部電力がイットリウム超電導線材、古河電工が線材の加工とケーブル開発、横浜国立大学がケーブル設計の解析と交流電力損失の評価を担当した。イットリウム系超電導材は、中部電力がCVD(化学的気層成長)により10mm幅の線材として試作された。古河電工はこの線材を2mm幅に裁断して芯に螺旋状に巻き付ける方法とケーブル構成技術を組み合わせ、垂直磁界による熱の発生を極小化することに成功した。
 試作されたイットリウム系高温超電導ケーブルは、長さが30cmで1kAの通電に対し0.05W/mという世界最小の交流電力損失を確認している。この値はCVケーブルの0.54W/mやビスマス系超電導ケーブルの約0.3W/mと比べて、格段に送電効率が高い。古河電工は2015年からイットリウム系高温超電導ケーブルが市場に投入され、2030年に6,700km敷設されると、年間40万トンのCO2削減につながると試算している。

          図1 超電導ケーブルの構造

          図2 交流損失測定結果



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