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DNニュース

2006年09月01日

富士通研究所、SPring-8放射光で磁気ヘッド新材料の機能解明に成功

 富士通研究所は、高輝度光科学研究センター(兵庫県佐用郡)の放射光施設SPring-8を利用して、磁気ヘッド用新材料の各元素の磁化しやすさの測定に成功、将来的に1平方インチあたり1テラビットのハードディスク・ドライブ(HDD)を実現する上で必要になる測定手法の有効性を確認した。富士通は2005年4月に開催された国際応用磁気学会(INTERMAG)で、従来の鉄・コバルトのみの材料より約20%磁化されやすい[FeCo/Pd]n超格子膜を発表していたが、今回はその磁化特性が向上するメカニズムを解明した。SPring-8による測定法では、材料中の個々の元素の磁化しやすさを評価できるため、今後さらに高い磁気をもつ材料の開発に役立つと期待される。
 富士通は鉄・コバルト(FeCo)とパラジウム(Pd)の2種類の膜を数十回繰り返し積層した磁性材料を試作していた。通常では磁化しないパラジウムが鉄・コバルトと接して、どのような効果をおよぼしているのかは、従来の超電導量子干渉計(Superconducting Quantum Interference Device:SQUID)では測定できなかった。富士通は、文部科学省のナノテクノロジー総合支援プロジェクトおよび先端大型研究施設戦略活用プログラムの支援を得て、円偏光X線を利用できるSPring-8放射光により、鉄、コバルト、パラジウムの各元素のX線吸収率を評価し、各元素別に磁化しやすさを測定することに成功した。また、SPring-8のBL25SU(軟X線固体分光ビームライン)による測定の結果、パラジウムが鉄・コバルト層と接すると磁化していることが確認でき、鉄・コバルト層も従来より磁化しやすくなることが分かった。円偏光は、偏光面が円を描く偏光で、磁性物にあてると磁化の大きさに比例して異なる吸収率を示す。この研究成果は、8月30日に滋賀県草津市の立命館大学で開催された第67回応用物理学会で発表された。

                     HDDヘッド新材料の構造



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