DNニュース
2006年09月11日
Electronic Newsから:
「Cell B.E.」と「Opteron」を搭載するスーパーコンピュータ、
米エネルギー省が導入へ
米国のIBM社とAdvanced Micro Devices(AMD)社は2006年9月7日、「米国エネルギー省国家核安全保障管理局(NNSA)に向けて、両社の技術を搭載したスーパーコンピュータを開発、製造することになった」と発表した。このシステムには、「Cell Broadband Engine(B.E.)」プロセッサが使用され、連続演算速度は最大1ペタFLOPS(1秒当たり1000兆回の演算)を目指すという。
この「ハイブリッド」スーパーコンピュータ(開発コード名:Roadrunner)は、米エネルギー省ロスアラモス国立研究所(LANL)に納入される予定である。同システムにおいて、Cell B.E.プロセッサはAMD社のx86ベースのプロセッサ「Opteron」と連結して動作するという。なお、Cell B.E.は本来、大量の画像処理とリアルタイム応答が要求されるテレビゲーム・プラットフォーム向けに開発された。
このスーパーコンピュータは、科学技術演算や産業アプリケーションなどの幅広い用途に使用される。そのためシステムは、最大で1.6ペタFLOPSの演算処理を行うために、1万6000個以上のOpteronプロセッサ・コアと1万6000個以上のCell B.E.プロセッサを連結して動作させるソフトウエアを実装する予定である。
Roadrunnerの開発には、Cell B.E.ベースのシステムとAMD社のシステムを効果的に動作させる「ハイブリッド・プログラミング」ソフトウエアの開発も含まれるということだ。こうしたハイブリッド構成を採ることで、システムは複雑な算術演算をセグメントに分割し、各セグメントを最も効率的に処理するように割り振ることができる。具体的には、通常の演算処理やファイルの入出力、通信処理はAMD社のOpteronプロセッサに、従来からスーパーコンピュータのリソースの大半を使う複雑な処理や繰り返しの処理はCell B.E.プロセッサに割り当てられる。
AMD社で広報部門のシニア・バイス・プレジデントを務めるMarty Seyer氏は発表の中で、「今回のLANL、IBM社との連携は、1つのオープン・プラットフォームを中心にして業界のリーダーたちが前に進むことで利益を生み出すことを示すものだ。今回のケースでは、IBM社とAMD社がそれぞれのプロセッサCell B.E.とOpteronを使用して、LANLの膨大な処理能力に対応できる強力なシステムを構築するために共同で取り組む」と述べた。
長期的にみると、IBM社とLANLの技術者が共同でシステムを開発することによって、IBM社は、生命科学や金融サービス、自動車、航空宇宙といったさまざまな業界のあらゆる規模の企業に対して、技術を混在させたシステムを展開できるようになることだ。
IBM社でシステム/テクノロジ部門のシニア・バイス・プレジデントを務めるBill Zeitler氏は発表の中で、「新しいスーパーコンピュータは、科学技術分野や産業分野で最も難関といわれている問題を解決するために、技術の可能性を大きく切り開く取り組みの1つだといえる。LANLは、われわれのエキサイティングな開発に大切なパートナーだ」と述べた。
IBM社は、「システムは、市場で入手可能なハードウエアだけを使って、Linux OSベースで構築される予定だ」とし、「Opteronを搭載したIBM社のサーバ「System x 3755」がCell B.E.を搭載したIBM社のブレード・システム「IBM BladeCenter H」と共に導入される予定だ」と付け加えた。さらにIBM社は、「システムには最新の冷却技術と電力管理技術を採用する。また、システムの設置面積は1万2000平方フィートで、バスケットボール・コート3面分に相当する」と説明した。IBM社は、新しいスーパーコンピュータの出荷を、LANL内のエネルギー省の施設に向けて2006年末ころから開始し、2008年には設置および引渡しを完了する予定だという。
Cell B.E.プロセッサは、Powerアーキテクチャをベースにしたもので、IBM社とソニー、ソニー・コンピュータエンタテイメント、東芝が共同で開発した。
(Electronic News)
Advertisement