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DNニュース

2006年09月19日

Electronics Weeklyから:
Cellプロセッサを搭載した最初のコンピュータ、英マンチェスター大学が導入

 米IBM社のCellプロセッサ(Cell BE)を搭載した最初のコンピュータシステムが英マンチェスター大学に導入された。同大学は生物工学や分子のモデル化の研究に使用するという。

 マンチェスター大学のコンピュータセンターに導入されたのはIBM社のブレードコンピュータ「BladeCenter QS20」のベータ版である。同大学の計算機センターでディレクタを務めるW. T. Hewitt氏は、「当大学がBladeCenter QS20を導入した理由は、それによって性能の大幅な向上が期待できるからだ。また、設置面積が縮小され、消費電力を削減することもできる」と述べた。

 Hewitt氏は、「Cellプロセッサを搭載したブレードコンピュータで構築したシステムは、スーパーコンピュータの使用にも関連して、経済面の変化をもたらす可能性がある」という。さらに同氏は、「演算性能の大幅な向上によって、システムで処理できる科学分野の応用範囲が、生物工学や分子のモデル化、システムエンジニアリングなどの分野に広がっているのを実感している。その一方でコストは削減されている」と続けた。

 Cell BEはPowerアーキテクチャをベースにしたプロセッサで、IBM社とソニー、東芝が、当初はゲーム端末に向けて開発した。しかし、BladeCenter QS20は、Cell BEを使用して、特定の分野で必要とされる大量の演算処理の高速化を実現した。例えば、3次元アニメーションの画像化や圧縮、暗号化のほか、地震、医療などの分野で、高画質で実体験のように感じられるリアルタイムアプリケーションを企業が開発するのを促進している。

 CBEA(Cell Broadband Engine Architecture)チップは、64ビットのPowerアーキテクチャをベースにしたPower Processor Element(PPE)を1個以上と、複数個のSIMD Synergistic Processor Elements(SPE)を搭載する。SPEは独立したプロセッサで、各SPEが独自にアプリケーションプログラムを実行する。例えば、プレイステーション3で使用されているCellプロセッサは、1個のPPEと8個のSPEを搭載している。

 IBM社は、「SPEは大量の演算処理を必要とするアプリケーション向けに最適化されているが、OS向けにはなっていない。SPEの名称の『synergistic(相乗的な)』は慎重に選ばれたものだ。PPEとSPEは相互依存の関係にある」と説明した。
 さらに同社は、「SPEはPPEを通してOSを動作させる。多くの場合、アプリケーションの高レベルのコントロールスレッドを使う」と説明した。逆に、PPEはSPEを通してアプリケーションの処理のほとんどを行う。なお、SPEのプログラムは高級言語を使うように設計されている。IBM社は、「アプリケーションプログラマにとっては、Cell BEは9ウエイのコヒーレントマルチプロセッサのようなものだ」としている。
 マンチェスター大学のほかに、ドイツのフラウンホーファー研究機構の工業数学に関する研究所がCellコンピュータを導入した。同研究所でHPC/画像化のセンターを主導するFranz Josef Pfreundt教授は、「当センターは、最新のマルチコアシステムに向けたソフトウエアの開発プラットフォームとしてBladeCenter QS20を使用している。当センター内部の画像化アプリケーションは大幅に改善された」と述べた。
(Electronics Weekly)



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