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DNニュース

2006年10月31日

産総研と昭和電工、環境にやさしく長期電気絶縁性に優れた樹脂を開発

新開発の絶縁保護膜用樹脂の応用例:
新開発の絶縁保護膜用樹脂(緑色) を用いてポリイミドフィルム上の 銅配線を被覆している

 産業総合研究所環境化学技術部門高選択酸化技術連携研究体(佐藤一彦研究体長)は、昭和電工と共同で、環境汚染物質の排出がなく特性が長期にわたり安定する絶縁保護膜用樹脂を開発した。プリント基板やフレキシブル基板の配線保護材料のエポキシ樹脂は、これまで塩素化合物のエピクロルヒドリンを利用して製造していたため、製造時に大量の塩化ナトリウムや塩化カルシウムを副産物として生成する。また、エポキシ樹脂を絶縁材として長期間使用すると、樹脂中の有機塩素化合物の塩素が脱塩化水素反応を起こし回線をショートさせるという問題がある。耐熱性を上げるとこの問題を回避できるが、柔軟性が損なわれるため小型軽量のフレキシブル基板に適用できなくなる。
 産総研と昭和電工は、「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」の委託事業「有害化学物質リスク削減基盤技術研究開発」の支援を受け、産総研が開発した選択的エポキシ化反応技術をベースに、有害化学原料を使用せず有害廃棄物を極小化できる絶縁保護膜用樹脂の開発に取り組んだ。選択的エポキシ化は、2つの2重結合をもつ化合物の1つだけを反応させて、エポキシ基を得る触媒技術。
 新しい樹脂の開発において産総研と昭和電工は、ジオレフィン化合物を原料にして過酸化水素を活性化させる触媒を開発し、選択的エポキシ化による二官能性エポキシモノマーの開発に成功した。高性能樹脂は、2重結合をもつ二官能性エポキシモノマーを重合させ(オリゴマー化)、新開発のエポキシ基と反応する硬化剤を組み合わせることにより実現した。新しいエポキシ化合物と硬化剤はいずれも分子設計の自由度が高く、絶縁特性と柔軟性のバランスを調整することができ、多様な要求に対応することができる。過酸化水素は製造過程で水以外の副産物を生じず、新しい樹脂は従来よりも2桁以上長期間の絶縁安定性をもち、基板のフレキシブル化と配線の細線化に対応できる柔軟性を兼ね備えている。

図−1 過酸化水素による選択的エポキシ化反応

図−2 開発技術の概要

図−3 絶縁信頼性促進試験



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