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DNニュース

2006年12月20日

蘭NXP、BMW X5での採用事例などFlexRayへの対応状況を発表

ゲリングス マネジャー

 自動車の新技術のうち、次世代車載ネットワーク「FlexRay」は最も注目されているものの一つ。現在最も一般的な「CAN」や「LIN」に比べて大幅に高速で、ステアリングやブレーキングの制御の電子化も可能な10Mbpsの転送速度を持つ。オランダNXP Semiconductors社は、世界で初めてFlexRayを搭載した量産モデル自動車「BMW X5」に採用されたFlexRay用トランシーバをはじめ、FlexRay関連技術の動向について記者説明会を行った。

 NXPは、自動車市場を注力市場に位置付けており、CANなどの車載ネットワーキング(IVN)分野では高シェアを持つ。FlexRayについても、2000年に欧米メーカーを中心に設立した「FlexRayコンソーシアム」のコアメンバー7社の1社として、電気的物理層の仕様策定を行うなど主導的な役割を果たしている。

 日本法人・フィリップスセミコンダクターズジャパンのマーケティング本部オートモーティブ&ID部でオートモーティブ製品を担当するイエルン・ゲリングス マネジャーは「FlexRayは、ステアリングやブレーキシステム向けの『X-by-Wire』アプリケーションが最終的なターゲットにしているが、パイロットプロジェクトとしてまず非X-by-Wireアプリケーションへの適用を目指している。BMW X5では、走行の安全・快適さを実現する『Adaptive Drive』機能に採用された」と話す。

 Adaptive Drive機能では、センサーで収集した走行環境や路面状況に関する情報のやり取りを、各車輪のコーナーモジュールと中央コントロールモジュールをFlexRayネットワークで接続することで高速に処理し、転倒安全性(Active Roll Stabilization)や振動電子制御(Electronic Damping Control)を実現している。各モジュールの接続のために、NXPのFlexRayトランシーバ「TJA1080」を6個使用する。同製品は、現時点でFlexRayに対応する唯一のトランシーバとなる。

 NXPでは、32ビット・ARM9ベースのマイクロコントローラ「SJA2510」も開発中で、現在欧州市場を中心にサンプル評価を進めている。07年後半から本格出荷を開始する予定。FlexRayコントローラを内蔵することにより、低コストで高い性能を発揮できる。説明会では、SJA2510とTJA1080を使った3つの通信モジュールとスターカップラーを接続し、動作デモンストレーションを行った。通信チャネルやモジュール自身が不具合を起こした場合には、その部分だけを即座に切り離し、不具合から回復した場合にも即座に接続を復帰する。

 「日本も含めて自動車業界は、FlexRayを採用したBMW X5に注目している。その動向はX-by-Wireへの適用など今後の開発にも大きな影響を与えるだろう」(ゲリングス マネジャー)という。
(朴尚洙)

BMW X5のFlexRayネットワークはAdaptive Drive機能に採用されている。トランシーバにはNXPのTJA1080を6個使用

動作デモンストレーションに用いたネットワーク回路。1個のSJA2510と2個のTJA1080で2つの通信チャネルを持つモジュール3つと、6個のTJA1080で構築したスターカップラーを接続している



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