産業技術総合研究所・ナノカーボン研究センターと日本ゼオンは、A4サイズの金属板の全面に均一な単層カーボンナノチューブ(CNT)構造体を合成することに成功した。
具体的には、シリコン基板の100分の1のコストで利用できるニッケル合金を基板にして、従来の100倍の面積上に、炭素純度99.9%以上の世界最高レベルの純度と高比表面積(非開口状態で1,000m2/g)を持つ単層CNTを、垂直に起立した形で高さ1mmの構造体として、短時間(10分)で形成した。
単層CNTは、比表面積あたりの電気容量が活性炭より大きく、高エネルギー密度のキャパシタ材料として期待されている。しかし、合成技術が未成熟で非常に高価なことから、産業用材料としての使用する目処が立っていなかった。今回の成果により、産業用材料に必要な高純度、高比表面積、高配向性、長尺などの条件を満たす単層CNTを、安価で短時間に合成する手法に道を開くことが期待される。
産総研は2004年に、メタンやアセチレンなどの炭化水素ガスを原料に、極微量の水分を添加するCVD(化学的気相成長)法で、CNTを従来の500倍の長さに高効率で成長させる「スーパーグロース法」を開発していた。これまでは高価なシリコン基板を使用していたが、産総研の畠賢治チーム長と平岡樹特別研究員らは、CNTの合成を阻害しない基板材料を検討し、特定のニッケル合金が要件を満たすことを発見した。産総研は日本ゼオンと共同で、大面積のスーパーグロース合成炉を設計・試作し、A4サイズの金属板に均一な単層CNT構造体の合成に成功した。
今後は、従来小型基板のバッチ処理で行われてきた合成反応を、大面積基板で連続処理することにより、従来の数百分の1に製造コストを下げる量産技術の確立を目指す。また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「カーボンナノチューブキャパシタ開発プロジェクト」(2006-2010 年度)の支援を得て、高出力、高エネルギー密度、長寿命の電気二重層キャパシタの開発にもつなげて行く。
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産総研、単層カーボンナノチューブの安価な大量合成法を開発
[issued: 2007.02.13]
各種ニッケル-鉄-クロム合金上での単層カーボンナノチューブ構造体の合成結果。拡大写真はナノチューブが構造体中で垂直に配向している様子で、スケールは1μm。









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