News Center

東工大と富士通研、Si基板上の光学結晶で赤外光伝播を実現

[issued: 2007.03.30]

この記事を :  印刷する プリントする ブックマーク  はてなブックマークに登録 この記事をクリップ! Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 メールで送る メールで送る

 東京工業大学の篠崎和夫助教授グループと富士通研究所は、Si基板上の光学結晶膜に赤外光を伝播させることに成功したと発表した。今回の成果によって、光変調器や光スイッチなどの光デバイスとLSIとを一体化した小型の光通信デバイスの実現が期待されるという。
 近年、大容量で高速な光通信システムの小型化や低価格化が求められているが、現状の光通信システムは光信号処理デバイスと電気信号を処理するLSIによるデバイスとを別々に製造して組み合わせている。これら2種類のデバイスをSi基板上に一体化した小型の光通信用デバイスが実現すれば、光通信システムのさらなる小型化や低価格化が可能になるとみられる。
 Si基板上に光スイッチや変調器などの通信用デバイスを実現するにあたっては、まず電気光学効果を持つ材料を基板上に形成し、その中に光を伝播させることが必要である。優れた電気光学効果を持つ材料として強誘電体であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛が知られているが、Si基板上に直接PZTの単結晶膜を形成すると結晶の乱れによる伝播損失が大きく、光を伝播させることが困難であった。
 今回、Si基板の表面に、SrRuO3(132nm)/CeO2(52nm)/Y-ZrO2(64nm)で構成される3層構造の中間層を導入、その上にPZT単結晶膜を形成した。これによって、PZTとSiの反応や原子配列の乱れをおさえ、原子が規則正しく配列した高品質の強誘電体PZTの単結晶膜を形成する技術を開発した。
 光通信で用いられる波長1.55μmの赤外光で、PZT単結晶膜の伝播損失を1dB/cm以下と従来の約1/10にまで抑えることに成功。Si基板上に形成した光学結晶膜に赤外光を伝播させることを実現した。電気光学効果の大きさを表す電気光学定数は、赤外光で76pm/Vの値を確認したという。この値は、現在光変調器として広く使用されているニオブ酸リチウム単結晶の約3倍。
 今後は、今回開発した結晶成長技術を利用して、各種の光デバイスをSi基板上に形成する技術開発を進めるという。
 今回の技術は、将来の超小型光通信システムに向けて開発したもので、文部科学省の科学技術振興調整費、産学官共同研究のマッチングファンドを利用して達成された。詳細については、5月23日より京都で開催される第24回強誘電体応用会議(FMA-24)、および5月27日より奈良県で開催される強誘電体応用国際会議(ISAF2007)にて発表される。


赤外光伝播の確認実験。
Si基板の表面に3層構造の中間層を導入し、その上にPZT単結晶膜を形成




この記事を :  印刷する プリントする ブックマーク  はてなブックマークに登録 この記事をクリップ! Buzzurlにブックマーク Yahoo!ブックマークに登録 メールで送る メールで送る

Sponsor Links

TOP 10 ページ

XML取得を失敗しました。(URLなどを確認ください。)

Partner Solutions

DNJ RESOURCE CENTER

PTCジャパン株式会社
【PTC/Mathcad】表計算ソフトを越えて計算の作成と文書化に適したソリューションへの移行

資料一覧を見る この資料をダウンロード