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欧州REACH規制に、ナノ材料の議論

[issued: 2007.04.04]

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Wolfgang Hehn化学物質ユニット副長  欧州の化学物質の登録・評価・認可に関する規制(REACH)は、年間1トン以上の新規および既存化学物質のEU圏における製造・輸入・上市・使用に関して適用される規制として07年6月1日に発効するが、EUでは早くも1トン未満の「ナノ材料」の有害・有毒物質の規制に関する議論が起こっている。3月30日に横浜で開催された化学物質をめぐる国際潮流に関するシンポジウム「諸外国における化学物質管理の最新動向」で、REACHを中心に「EU における化学物質管理と工業製品への適用」について講演した欧州委員会、企業・産業総局のWolfgang Hehn化学物質ユニット副長が、聴講者からの質問に応えて明らかにした。  Hehnユニット副長は、「REACHで1トン以上というボリュームの下限の見直しが進んでいるのか」という質問に対し、「正確に答えにくい」としながら、「議論の方向性としては、1トン未満の化学物質

 欧州の化学物質の登録・評価・認可に関する規制(REACH)は、年間1トン以上の新規および既存化学物質のEU圏における製造・輸入・上市・使用に関して適用される規制として07年6月1日に発効するが、EUでは早くも1トン未満の「ナノ材料」の有害・有毒物質の規制に関する議論が起こっている。3月30日に横浜で開催された化学物質をめぐる国際潮流に関するシンポジウム「諸外国における化学物質管理の最新動向」で、REACHを中心に「EU における化学物質管理と工業製品への適用」について講演した欧州委員会、企業・産業総局のWolfgang Hehn化学物質ユニット副長が、聴講者からの質問に応えて明らかにした。

 Hehn ユニット副長は、「REACHで1トン以上というボリュームの下限の見直しが進んでいるのか」という質問に対し、「正確に答えにくい」としながら、「議論の方向性としては、1トン未満の化学物質について、ナノ材料の問題が持ち上がっている。どのようにナノ材料のリスクを制限するかを巡っては、トン数制限では限界がある」と議論の存在を認めた。この議論は始まったばかりで、「ナノ材料の理解が先決」ながら、「OECD(経済協力開発機構)ワーキング・グループと共同歩調をとる方向で国際的な解決策を模索する」と語った。業界ウォッチャーによれば、「REACHによる登録の原則から外れても、認可と制限の対象とすることが可能」なことから、REACHの重量規制を変更しない解決法を示唆していると受け止める聴講者もあった。

 また現時点で登録規制対象から除外されているポリマー(重合体)に関しては「適用除外の見直しを開始した。ポリマーはREACHのなかに盛り込まれようとしている」とHehnユニット副長。同氏によればEUでは議論が始まったばかりで明確な提案は出ていない段階ながら、適用除外見直しの方向で議論が進んでいることを明らかにした。

 同氏は、欧州の化学物質管理・規制の現行制度が40年にわたる60以上の法規制によるつぎはぎの制度で、リスクの特定が難しい、上市されている大半の物質について情報が欠如したままで、問題となる物質を取り払うのに有効な手段がない、などの問題を抱えていたことを指摘。また既存物質と比較すれば、新規物質に対する不釣合いに高い要請など、革新のためのインセンティブが欠如しているといった産業育成面での反省もあり、「今までの制度を簡素化し、新規化学物質と既存化学物質の両方について単一かつ一貫性のあるシステムとしてREACHの導入を決定した」と説明。欧州化学物質庁がシステムを管理する一元体制を敷き、「詳細は今後数ヶ月のうちに、多くの決定が出てくる」と述べた。欧州化学物質庁は、EU 域外からの質問にも対応する。既存の制度の結集としてのREACHの今後の課題については、「その実施遂行とコスト問題」を挙げた。
(甲斐真一郎)



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